会社説明会の受付での挨拶マナー|「こんにちは」は言うべき?

会社説明会の受付での挨拶マナー|「こんにちは」は言うべき?
この記事のまとめ
  • 会社説明会の態度が選考に影響する可能性も
  • 受付での挨拶は「よろしくお願いします」
  • 企業研究をして事前に質問を考えておく

緊張する会社説明会。第一印象を左右する受付での振る舞いは、好印象を与えるための第一歩です。挨拶や表情などで、たった数秒の間にも相手に与える印象は大きく変わります。この記事では、会社説明会の受付で好印象を与えるための基本的なマナーや、事前に準備しておくべきことについて解説します。

会社説明会での振る舞いも選考に影響する可能性がある

会社説明会は学生に会社概要や業務内容などを知ってもらうために企業が設ける就活イベントです。選考に応募するかどうかにかかわらず参加できる場合も多いので、学生としては少しでも興味があれば気軽に参加できるメリットがあります。

しかし、本選考ではないからと気を抜いていると思わぬ落とし穴が。説明会中の態度や受付での挨拶は意外と企業に見られており、そこから学生の社会人マナーや基本的なコミュニケーション能力、企業への関心の度合いなどが判断されていることがあります。そして、その評価が選考に影響する可能性もあるのです。

本選考に進む前の段階でマイナス評価をされてしまってはもったいないため、会社説明会から好印象が残せるように、基本マナーを押さえておきましょう。

会社説明会に参加する時の事前準備

必要な持ち物を確認

当日の朝に慌てて準備をすると忘れ物をするリスクがあるので、なるべく前日の夜までに必要な物を確認して用意しておきましょう。会社から持参するように指示があったものだけでなく、特に指示がなくとも最低限持ち歩いておくべきものもあります。説明会当日の必須の持ち物は以下の通りです。

必須の持ち物

会社説明会の持ち物
  • 筆記用具(ノートorメモ帳、シャーペン、ボールペン)
  • 受付表
  • 会社に指示された提出書類
  • A4サイズクリアファイル
  • A4サイズの書類が入るバッグ
  • 学生証
  • 印鑑
  • スマートフォン

筆記用具は書類に記入したり、説明会で聞いたことをメモしたりするために必須です。

受付票は事前にプリントアウトしたものを持参したり、スマートフォンのQRコードをその場で提示したりと会社によって形式が異なりますが、どちらの場合でも忘れると説明会に参加できない可能性があるので注意しましょう。

当日は書類を持参したり会場でも資料が配布されたりするので、バッグはA4書類を折らずにしまえるサイズのものがおすすめ。書類にシワがつかないようにクリアファイルも必要です。

企業によっては受付で学生証の提示を求められたり、書類への押印が求められたりすることもあるので念のため印鑑もあると安心です。

できれば持っていたい物

あると安心なもの
  • ハンカチ
  • ティッシュ
  • スマートフォンの充電器
  • モバイルバッテリー
  • 腕時計
  • 折り畳み傘
  • 予備のストッキング(女性)
  • 常備薬(頭痛薬、下痢止め、鼻炎薬など)

ハンカチとティッシュを常備しておくことは大人であれば当然のマナー。移動時には経路確認などでスマホの使用が多くなるので、充電切れに備えて充電器やモバイルバッテリーも携帯しておきましょう。

学生のうちは時間を確認するのにスマホで済ませる人が多いですが、ビジネスパーソンにとっては腕時計の着用もマナーの一環。説明会中にいちいちスマホを確認していると「話を聞いていない」「集中していない」と思われる可能性もあります。スーツに合わせても違和感のないビジネスライクなデザインのものを選びましょう。

女性はストッキングが伝線した場合に備えて予備を持っておくと安心。説明会では緊張から急に体調を崩すこともあるので、常備薬を用意しておくのもおすすめです。

会場までの経路と所要時間を確認

会場までの交通手段や経路、所要時間をあらかじめ確認しておきましょう。慣れない電車やバスでの移動は乗り換えがスムーズにできないこともあります。交通機関の遅延が発生する可能性もあるので、余裕を持って家を出るようにしましょう。ただ、会場に早く着きすぎるのもマナー違反となるので、会場近くで時間をつぶせるカフェなどを調べておくのがおすすめです。

企業研究をして疑問点や質問事項をまとめておく

何の準備もせずに会社説明会に参加するよりも、事前に企業研究をしておいた方が会社への理解を深めることができます。せめて企業のホームページだけでも目を通し、会社概要や事業内容はおおまかにでも把握しておきましょう。その上でホームページの情報だけではわからない疑問点をまとめておき、質疑応答の際には積極的に発言して意欲をアピールしましょう。

会社説明会の基本マナー

会社説明会向けの服装

学生にとって会社説明会は、ビジネススーツを着用し、学生という立場から離れて社会人として行動する最初の機会ともいえます。最初から完璧なビジネスマナーを習得できる人はいませんが、社会人として最低限、身につけておくべき基本のマナーがあります。

基本がなっていないと「非常識」と思われてしまい、本選考に進んだ後に不利な状況を招く可能性があるので、基本のマナーだけはしっかりと押さえておきましょう。

時間厳守|受付開始時刻の10〜15分前には会場に到着できていると◎

社会人にとって時間厳守は基本のマナー。受付開始の10〜15分前に会場入りし、化粧室によって身だしなみを整えるなどしながら気持ちを落ち着けて臨めるのが理想的です。到着があまりにもギリギリだと「時間の管理ができていない」と悪い印象を持たれてしまう可能性があります。

また、ビジネスの世界では予定の時刻より早く着きすぎるのもマナー違反です。相手を急かすことになってしまうため、会場周辺のカフェなどで時間を潰すか、建物の外やエントランスなど受付から離れた場所で待つようにしてください。

化粧室などで身だしなみを整える

清潔感のある身だしなみは第一印象を大きく左右します。髪型や服装が乱れているとだらしない印象を与えてしまうので、会場に着いたら受付の前に化粧室などで身だしなみを整えましょう。

スーツやシャツがよれていないか、ネクタイが曲がっていないか、ストッキングが伝線していないか、髪型が崩れていないかなど、よく確認しておきましょう。

化粧室が混んでいて入れないこともあるので、手鏡を常備しておくと便利です。

受付の前に上着や防寒具を脱ぐ

寒い時期はコートやマフラー、手袋などを着用して会場に向かうことになりますが、これらの防寒着は建物に入る前に脱いでから受付に向かうのがマナーです。会場がオフィスビルの中にある場合は、エントランスの中で脱いでもよいでしょう。脱いだコートは畳んで腕にかけ、防寒具はカバンにしまいます。

また、説明会が終わって会場を出る時も、建物の外に出てからコートや防寒具を身につけるようにしましょう。

スマートフォンはサイレントモードに設定する

説明会中はスマートフォンをサイレントモードに設定し、着信音や通知音が鳴らないようにしましょう。周囲が静かだとバイブレーションの振動音も気になるものです。設定の変更が心配な人は電源を切っておくことをおすすめします。

また、説明中にスマートフォンを触る行為は相手の話に集中していないように見え、失礼にあたるので注意しましょう。

遅刻する時は必ず連絡する

電車の遅延や体調不良などやむを得ない事情で遅刻しそうな場合は、遅れることがわかった段階ですぐに電話で連絡を入れましょう。連絡がないまま遅刻することは社会人としてNGです。

説明会当日は採用担当者も準備で忙しいため、メールを送ってもすぐに確認できるとは限りません。担当者が離席している場合は電話に出た人に事情を伝え、ひとこと謝罪をした上で担当者に伝言を頼むとよいでしょう。

会社説明会の受付での挨拶

挨拶は「よろしくお願いいたします」が基本

受付では担当者に大学名と氏名を名乗り、来社理由を伝えて「よろしくお願いいたします」と挨拶をします。渡された資料はきちんと両手で受け取り、「ありがとうございます」とお礼を言いましょう。

声が小さかったり、無表情だったりすると覇気がなく暗い印象を与えてしまうので、元気に明るく、笑顔であいさつをしましょう。

挨拶の例文
  • ○○大学の○○です。○○時からの会社説明会に伺いました。本日はよろしくお願いいたします。
  • お世話になります。会社説明会に参りました、○○大学の○○と申します。よろしくお願いいたします。

先に相手から言われた場合は「こんにちは」もOK

会社説明会がお昼から夜の時間帯に行われる場合、「こんにちは」「こんばんは」と挨拶したくなるかもしれません。しかし、ビジネスの場では初対面の相手に対して「こんにちは」「こんばんは」は、フランクすぎるため基本的に使いません。

相手から先に「こんにちは」「こんばんは」と言われた場合は同じように返しても大丈夫です。また、朝の時間帯であれば、名乗る前に「おはようございます」と挨拶するのはビジネスでも一般的なので問題ありません。

受付が無人で内線電話で取り次ぎを頼む場合もある

企業によっては会社説明会の受付に担当者がおらず、内線電話で取り次ぎを頼むケースもあります。その場合には、電話の側に操作方法についての案内があるはずですので、それに従って担当者や担当部署に連絡しましょう。

電話で伝えるべきことは、基本的に有人の受付をする場合と同様です。大学名と氏名、来社理由を伝えて「よろしくお願いいたします」と挨拶をしましょう。

会社説明会中のマナー

座席はなるべく前から詰めて座る

会社説明会では、特に指示がなくとも前方から順番に詰めて着席するのが基本のマナーです。端の方に着席すると後から来た人が座りにくくなってしまいます。また、前方の席が空いているのに後ろ側に座ると、それだけで「入社意欲が低い」「消極的」「とりあえず参加しただけ」という印象を与えてしまうので気をつけたいところです。

前の席に座ることで、企業の説明を真剣に聞く姿勢ややる気を示すことができ、質問もしやすくなります。

メモはメモ帳やノートに取る|スマホはNG

説明会中にメモを取る場合は、スマートフォンではなく配布された資料や持参したノート、ルーズリーフ、メモ帳に記入するようにしましょう。メモを取るのが目的だとしても、相手が話している最中にスマホを触っていると「説明を聞いていない」「別の作業をしているのでは?」と誤解される可能性があり、失礼な印象を与えてしまいます。

会社説明会に限らず、ビジネスの現場でも会議中や商談中にスマホにメモを取るのは非常識な行動と見なされます。担当者から許可があった場合を除き、説明会中のスマホ使用は極力控えるようにしてください。

話を聞く時は姿勢を正す

担当者の話を聞く時の姿勢も意識しましょう。椅子に深く腰掛けて背筋を伸ばすことで、積極的な印象になります。

反対に、浅く腰掛けて背もたれに寄りかかる、机に肘をつく、足を組んで座るといった態度はマナーが悪いだけでなく、話している相手にも失礼です。志望度がそれほど高くない企業の説明会や、参加してみたものの話に興味が持てなかったとしても、あからさまにつまらなそうな態度を取ることは社会人として止めましょう。

また、当然のことではありますが、説明会中の居眠りやあくびは絶対にNGです。「話を聞く気がない」「何のために参加しているのか?」と思われてしまい、その後の選考にもマイナスの影響が生じます。どうしても眠い場合は直前にコーヒーを飲むなど、眠気への対策を取っておきましょう。

私語を慎む

大学の同期や友人と一緒に説明会に参加した場合でも、私語を控え、周りの人に迷惑をかけないようにしましょう。真剣に話を聞いている学生の妨げになる上、話をしている担当者にとっても失礼にあたります。「学生気分が抜けていない」「周囲への配慮ができない」などマイナスの評価につながる可能性があるため、説明会中は企業理解を深めることに集中しましょう。

質疑応答でのマナー

質問は質疑応答の時間にする

担当者が説明をしている最中に質問したいことが出てきたとしても、質疑応答の時間まで待つのがマナーです。説明の途中で質問してしまうと、会の進行を中断させてしまい、担当者や他の参加者の迷惑になります。積極性をアピールするつもりが「周囲への配慮ができない」と悪い印象を与えてしまわないように気をつけましょう。

最初に大学名と氏名を名乗り、回答してもらったらお礼を述べる

質問をする際は、必ず最初に「○○大学の○○です」と大学名と氏名を名乗ってから始めましょう。これは会社説明会に限らず、社会人としての基本的なマナーです。また、回答をもらったら「ありがとうございます」と必ず一言お礼の言葉を述べましょう。

内容は簡潔にまとめ、質問が複数ある場合は最初に伝える

質問はできるだけ簡潔かつ具体的にまとめ、「○○に関する質問です」と最初に質問内容を明らかにした上で伝えましょう。 抽象的な質問をされると回答者が質問の意図がわからず困ってしまいますし、だらだらと話すことで他の参加者の時間を奪ってしまうことにもなるので注意してください。

質問が複数ある場合は「2つ質問してもよろしいでしょうか」など、最初に伝えておくと、回答者も答えやすくなります。

ホームページで調べれば分かることは質問しない

事業内容や企業理念など、ホームページや説明会資料に記載されているような一般的な情報は事前に調べておきましょう。説明会の時間は限られているため、調べれば分かることを聞くのは他の学生にとっても企業にとっても時間の損失です。「企業研究ができていない」=「志望度が低い」と判断されてしまう恐れもあります。

企業研究をした上で、自分がその会社で働くイメージを描くために不足している情報を尋ねるようにしましょう。

会社説明会終了後のマナー

アンケートは具体的に記入する

会社説明会終了後にアンケートが配布されることがあります。このアンケートは企業側が説明会を改善するために行っているものなので、必ず記入するようにしましょう。

「分かりやすかった」「面白かった」など漠然とした表現ではなく、「○○の説明が特に分かりやすかった」「○○の質問への回答を受けて入社後のイメージがわいた」など、具体的に記入することで企業側も改善点を見つけやすくなります。

説明会担当者や受付にお礼と挨拶をする

説明会が終了したら、帰り際に担当者や受付の方にお礼と挨拶をしましょう。一通り話を聞いた上で最終的に自分の希望とはマッチしなかったとしても、最後まで丁寧に対応することは守るべき社会人マナーです。

また、時間がなくて説明会中に質問できなかったことがあれば、その場で尋ねることもできます。次の予定が迫っていて担当者が時間を取れない場合もありますが、時間に余裕があれば答えてもらえる可能性がありますし、熱意や積極性をアピールするチャンスともなるでしょう。

会社説明会の受付は気持ちの良い挨拶で好印象を残そう

会社説明会は企業にあなたをアピールする最初のチャンスです。ただし、自分をアピールするばかりでなく、他の参加者や説明会担当者への配慮も忘れてはならないポイント。 事前の準備をしっかり行い、マナーを守って参加することで好印象を残すことができます。

そのためにも、受付の段階から丁寧に対応し、気持ちを引き締めて会社説明会に臨みましょう。