- 就活の課題提出は企業が指定する方式に従う
- メール送信時には返信または判別しやすい件名を
- 本文には添付のファイル名と形式を明記する
- 返信があったら24時間以内にお礼メールを送る
就活では企業から課題提出を求められることがあります。企業によって提出方法が異なるものの、多くはメールを利用するでしょう。メールではファイルを添付して送信しなければなりません。記述やマナーに不手際があると、課題を見てもらえない恐れがあります。
この記事では、就活生が確実に課題ファイルを届けられるよう、メールの効果的な書き方や必須のマナーを説明します。件名の付け方や、添付ファイルを目立たせる工夫など、細かなノウハウまで理解できるでしょう。メールの送信時間や署名のルールを通し、ビジネスメール全般のマナーも身につきます。場面に応じた例文も掲載しましたので、参考にしてください。
就活の課題はメールで提出してもいい?
就活では企業から課題を出されることがあります。面接前に出題することで選考の材料にしたり、インターンシップの効果を検証するために利用したりと、目的はさまざまです。内定後に研修の一環として課される場合もあります。
課題が出されたら、就活生は納期を守り確実に提出しなければなりません。少しでも早く送るには「メールを利用したい」と考える人が多いでしょう。しかしメールが提出方法の正解とは限らないのです。
メールや郵送など企業が指定する方式に則る
企業への課題提出は、指定された方式に従うのが鉄則です。自己判断でメールを利用することはできません。 指定方式が確認できない場合は、担当者へ問い合わせます。異なる形式で提出すると、ルールを守れないと判断され、受け付けてもらえない可能性があります。「方式を問わない」と言われたら、速達性を重視しメールを選びましょう。
メール送信では最低限のPCスキルを確認される
メールで課題を提出する場合には、最低限のパソコンスキルを確認されます。ファイルを適切に送信するには、「ドキュメントをPDFに変換する」「ファイルを添付する」などの作業が必須です。パソコンスキルを確かめるちょうど良い機会なのです。
現在はほとんどの仕事でパソコンを日常的に使用しています。課題を円滑に送信できないと、日常業務に支障をきたすと考えましょう。困難があればスキルを習得するべきです。
メールの添付容量によっては事前の問い合わせを
ファイルの添付で注意したいのが容量です。ビジネスメールの添付ファイル容量は、一般的に2MBが上限とされています。それを超えると、マナーの欠如を疑われる恐れがあります。
大容量のファイルを送る場合は事前の相談が不可欠です。「そのまま送って良い」と言われた場合のみ、メールに添付します。ストレージを指定されたら、指示に従いましょう。
就活で課題提出メール作成時における件名の書き方
課題をメールで提出する際には、件名に留意します。企業は毎日何通ものメールに対処しています。「ビジネスメールのマナーを守る」「識別しやすさにこだわる」ことが大切です。
課題に関するメールをもらっている場合は「Re:」
企業からメールで課題を出題された場合、返信の形をとります。件名は「Re:元の件名」で構いません。何に対する返信かすぐに識別できるため、要件が伝わりやすくなります。ビジネスメールにおけるマナーの一つです。
新規作成の場合は内容が分かるタイトルを
新規でメールを作成する場合、内容がすぐに伝わる工夫をします。「面接の事前課題提出<〇〇大学(氏名フルネーム)>」といった件名だと、誰から何のメールが届いたか識別しやすいでしょう。
件名には大学名と氏名(フルネーム)を必ず含めます。知らない送信元からのメールは警戒の対象です。タイトルで就活生だと分かれば、円滑にメールを開いてもらえます。
課題提出メールを上手に作成する6ステップ
①会社名、部署名を含めた宛名を書く
宛名は会社名、担当部署、担当者名の順に記述します。
会社名には株式会社、合同会社などの種別も忘れずに入れましょう。個人宛の場合、「御中」は必要ありません。
担当部署は、分かる範囲で書きます。「〇〇部」だけでも問題ありません。
担当者氏名はフルネームが鉄則です。氏名が開示されていない場合は、「ご担当者様」と明記します。
②適切な挨拶から始める
本文の最初は適切な挨拶から入ります。面接前やインターンシップ後に課題を提出する場合は、「お世話になっております。〇〇大学△△学部▢▢学科の(氏名)です」と書くのが適切です。内定後は、大学名の代わりに「内定者の(氏名)です」と記述しましょう。
氏名を名乗った後には「先日は面接日程のご連絡をいただき、ありがとうございました」「インターンシップでは大変お世話になりました」など、お礼の言葉を続けます。担当者に対する礼儀です。
③課題提出が要件であることを端的に伝える
挨拶の後は要件が課題提出であることを伝えましょう。「先日いただいた課題が仕上がりましたので、添付ファイルにてお送りいたします」といった簡潔な文章で記述します。締め切り直前に提出する場合は、「遅くなり申し訳ありませんでした」などお詫びの言葉を添えましょう。
④添付のファイル名、ファイル形式を記載する
ファイルが添付されていることを明確にするため、行を変えて「添付のファイル名、ファイル形式」を記述します。本文中に「添付ファイルをご参照ください」と書くだけでは、見落とされる可能性があるためです。行を変えて目立たせることで、確実に添付ファイルに誘導します。
なお、添付ファイル名は「日付_課題名_氏名」が適切です。保存した際、「いつ」「誰から届いた」「何のファイルか」をひと目で識別できます。
⑤簡単なコメントをし挨拶で終える
最後は簡単なコメントと挨拶で締めます。
コメントには課題を通して学んだことや、今後の意気込みを書きましょう。「本課題で〇〇業界の現状を端的に掴めました。ますます興味が深まり、貴社で専門家として働きたいと思う気持ちが高まりました」といった書き方で、課題を仕事に繋げる前向きな姿勢を伝えます。
最後の挨拶では、「お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認をお願いいたします」など、手間をかけることへの配慮を示しましょう。
⑥携帯電話番号を含めた署名を入れる
本文末尾には署名を入れます。署名はビジネスメールのマナーです。「大学名・学部・学科」「氏名(フルネーム)」「携帯電話番号」「メールアドレス」「住所」の順に記述しましょう。自動的に挿入されるよう、メールソフトに設定しておくと便利です。
就活で課題提出を行うメールの例文3選
面接前に課題提出を行う
面接前に事前課題の提出を求められるケースです。課題をもらった際のメールに返信する形を取ります。改行して添付の内容を記した後に、課題で学んだ内容を将来に活かす意志を示すと良いでしょう。高い意欲が伝わり、面接での評価に繋がります。
インターンシップ後に課題レポートを提出する
インターンシップの後に課題レポートの提出を求められることがあります。提出時期を考えると、お礼から入るのが妥当です。「何に感銘を受けたか」はレポート内で言及するため、ここで詳述する必要はありません。感謝の気持ちを端的に記しましょう。
締めの挨拶前には、インターンシップを通し、志望度がより高まったことを伝えると好印象です。
内定後の入社までの期間に課題を送る
内定後に研修課題を送付するケースです。コンプライアンス研修のように入職者全員に義務付けられる研修では、社員同然に扱われるかもしれません。しかし入社前であることを鑑みると、これまでと同様の節度を持って接するべきです。礼儀を欠かさぬよう、記述に十分注意しましょう。
締めの挨拶前には、入社に向けた熱意や、具体的な努力の内容を表現すると良いでしょう。
就活で課題提出のメールを送る時間は?
企業の営業時間内に送るのが原則
課題提出メールは企業の営業時間内に送るのが原則です。メールは自由な時間に読める反面、就業時間外にも手元に届く恐れがあります。オフの担当者を仕事に引き戻すことがあってはなりません。「常識がない」と判断されないためにも、時間厳守を心がけます。
始業前30分、終業後1時間が時間外の限度
締切が近く、やむを得ず営業時間を超過する場合、終業後一時間までが限度だと考えます。それ以降は大きな理由がない限り、翌日の始業を待ちましょう。
始業前は30分程度ならフライング可能です。仕事の準備に取り掛かる人が多いため、比較的不快感を持たれにくいでしょう。
いずれのケースでも、「業務時間外に失礼します」などお詫びの言葉を添えます。
土日祝日の送信は平日の営業時間に合わせる
平日に時間が取れない場合は、土日祝日の送信も可能です。企業も就活生の忙しさを理解しています。「お休みのところ失礼いたします」などお詫びの言葉を添えれば、不快に思う人は少ないでしょう。
ただし、送信する時間帯は平日の営業時間に合わせます。夜間早朝を避けるのは、休日も同じです。
締切前で深夜早朝になるなら丁寧なお詫びを
課題提出が締切直前になってしまった場合、丁重にお詫びをした上で送信します。非常識な時間帯ではあるものの、間に合わないよりは良いと考えましょう。
メールには「夜分遅く申し訳ありません」などお詫びを書いた上で、簡単に理由を説明します。「課題の内容を締切間近まで精査した」「納得いくものが仕上がらず、時間が許す限り探求した」といった明確な理由があれば、印象の悪化を最低限に抑えられます。
就活で課題提出をメールで行った後に返信がきたら?
課題提出メールへの返信にはお礼の言葉を返す
企業によっては、課題提出メールに「確かに受け取りました」と返信してくれるケースがあります。メールを受信したら、24時間以内にお礼のメールを返しましょう。
内容は「お礼+挨拶」です。返信のお礼を述べた後、「お忙しいところ恐れ入りますが、ご精査のほどよろしくお願いします」といった挨拶で締めると良いでしょう。
課題提出メールへの返信にお礼を伝える例文
返信への返信の形をとります。タイトルは「Re:Re:」のままです。別タイトルをつけると、何のメールか伝わりにくくなります。返信の返信までは「Re:」を重ねるのが、ビジネスメールでのルールです。
簡単すぎるように見えても、内容はお礼と挨拶のみで構いません。担当者への礼儀を示すことが目的です。他に要件があれば、別途メールしましょう。
課題の提出で求められる力は社会に出てからも必須
課題を頑張っても、メールの書き方やマナーが不適切だと受け取ってもらえない恐れがあります。せっかくの課題を無駄にしないためにも、添付メールの書き方と必要なマナーを正しく身につけましょう。
ここで培った力は社会で頻繁に求められます。長く活かせる力だと考えれば、習得の努力も苦にならないでしょう。慣れない人は、企業にメールを送る前に、一度自分宛てに添付ファイルを送ってみることをおすすめします。うまくいくことが分かったら、マナーを守った上で企業に送信しましょう。ステップを踏むことで、取り組みやすくなります。