【例文付き】OB・OG訪問に適した依頼・確認・お礼メールの書き方

【例文付き】OB・OG訪問に適した依頼・確認・お礼メールの書き方
この記事のまとめ
  • OB訪問は大学からの紹介か直接依頼する
  • 必要なメールは依頼・確認・お礼の3種類
  • メールの送信は原則営業時間内に行う
  • 依頼への返信がない場合は無理強いをしない

大学のOBやOGから仕事について聞き出す「OB訪問」は、企業研究や自己分析に大いに役立ちます。しかしOB・OGの探し方や依頼の仕方が分からずに悩む方も多いです。

この記事ではOB訪問をお願いする方法を紹介した上で、「依頼メール」「確認メール」「お礼メール」の書き方を例文を交えて説明します。件名や本文の簡潔な書き方、送信可能時間や注意点などのポイントも確認しておきましょう。

OB訪問の意義

OB訪問は現役社員の生の声を聞くことで企業への理解を深める活動です。大学のOB・OGのもとを訪れ話を聞きます。

訪問の最大の意義は、深い企業研究ができることです。日々の具体的な業務や企業風土など、実際に話を聞かなければ分からないことが多々あります。仕事の楽しさややりがい、大変さも実感できるでしょう。

OB訪問を依頼する先輩の探し方

大学の先輩など知り合いにメールする

OB訪問を依頼しやすいのは、サークルや部活動などの先輩です。大学を通さず直接依頼できる利点があり、知り合いならば断られることも少ないでしょう。

気をつけたいのは、OB訪問時の姿勢です。OB・OGは業務時間内に対応することになるため、訪問時には時間を割いてもらっている自覚を持った振る舞いを心がけましょう。

見知った先輩でなくとも大学から紹介を得られる

サークルや部活の先輩が志望企業にいない場合でも、大学の就職支援課を訪ねればOB・OGを紹介してもらえます。多くの大学では、「OB・OG名簿」を作成しており、企業名で検索が可能です。希望する企業へ就職した先輩と、円滑に繋がれるでしょう。

企業の人事部にOB訪問の依頼メールを送る手もある

説明会やインターンシップで気になる企業があれば、企業の人事部に直接依頼する手もあります。面識のある担当者にお願いしてみましょう。担当者を知らない場合は、人事部に目的と熱意を端的に伝えます。できる限り希望を受け止め、調整してくれるでしょう。

OB訪問を行う適切な時期

説明会前に行うと効率的に就活を進めやすい

OB訪問は、説明会やインターンシップの前に行うと良いでしょう。大学3年の夏前から、計画的に準備を始めるのがおすすめです。

OB・OGの話は、自己の興味や将来のビジョンを見定める力になります。説明会やインターンシップに参加するべき企業を絞りやすくなり、就活を効率的に進められるでしょう。

説明会後に行うとエントリーの最終判断を行いやすい

説明会後もおすすめのタイミングです。気になる企業への理解が深まり、採用選考へのエントリーを判断しやすくなるでしょう。

OB訪問の際には、説明会で感じた疑問や不安を正直にぶつけましょう。現場目線での回答が得られれば、エントリーへの迷いを断ち切れるはずです。

内定後に行えば入社準備が円滑になる

内定後の入社準備期間にOB訪問を行うのも良い方法です。入社への心構えができ、準備を円滑に進められます。「何をどう頑張るべきか」の指針を得られ、漠然とした不安もなくなるでしょう。

業務の詳細や社風をあらかじめ知っておくことで、戦力として扱われやすくなるメリットもあります。

OB訪問で送るメールの種類

OB・OGに送るべきメール
  • 1
    OB・OGにアポイントメントを取る「依頼メール」
  • 2
    依頼への返信に対して送る「確認メール」
  • 3
    OB訪問前日にリマインドをする「確認メール」
  • 4
    OB訪問後すぐに送る「お礼メール」
  • 5
    就活を終了するときに改めて送る「お礼メール」

OB訪問の連絡にはメールが最適です。先方の都合が良い時間帯に返信してもらえます。電話は迷惑になる可能性があるため、急ぎの用事がない限り使用しません。

必要なメールは主に「依頼メール」「確認メール」「お礼メール」の3つに分類できます。①〜⑤の順にメールを送りましょう。

アポイントメントを取る「依頼メール」

まずはOB訪問をお願いする「依頼メール」です。自己紹介から入り、「目的」や「お願いしたいこと」をはっきりと記述します。要件を端的に伝える文章を意識しましょう。うまく伝わらないと、返信がもらえない可能性があります。

返信後の「確認メール」

依頼メールを送ると、OB訪問の受け入れ可否や、受け入れ可能日時を記したメールが返信されます。内容を確認したら、返信のお礼と訪問日時の確認を行いましょう。

注意したいのは、受け入れを拒絶された場合も挨拶をすることです。検討・返信への感謝の念を持ち、お礼を伝えましょう。

確認メールは、OB訪問の前日にもリマインドとして送るとよりスムーズに訪問が行えるでしょう。訪問時刻や所要時間、質問の内容などを再度記載することで、先方が過去のメールや予定を再確認する手間が省けます。

訪問後に必須の「お礼メール」

OB訪問が終わったら、訪問当日のうちに感謝を伝えましょう。業務の合間を縫って対応してくれたOBへの最低限の礼儀です。

また、就活を終えるとき(内定時)にも忘れずに挨拶を送りましょう。当該企業に内定したときはもちろん、他企業へ就職する場合も報告をするべきです。OB訪問での経験が就活で活きたということを、お礼を添えて伝えるのがマナーです。

3種類のメールに共通!OB訪問メールの作成方法

件名は端的かつ誰からのメールかわかるように

件名のポイントは、「内容が一目で分かること」と「大学名・氏名」を書くことです。「OB訪問のお願い<○○大学(氏名)>」のように書くと良いでしょう。

社会人は毎日たくさんのメールを処理します。件名から内容を予測しながら、緊急性や重要度をはかっているます。そのため、件名で「OB訪問の依頼だ」と分かれば、対応してもらえる可能性が高まります。

会社名・部署名を含めた宛名を書く

宛名の書き方
株式会社〇〇 △△部 ☓☓課 (氏名)様

本文は宛名から書き始めます。会社名、部署名、業務課名、担当者名の順に明記しましょう。部署内での業務課や係が分からない場合は、省略しても構いません。

会社名は株式会社・合同会社などの種別も略さずに記します。特定の担当者に送信するため、「御中」は必要ありません。また、氏名もフルネームが鉄則です。

状況に適した挨拶と簡潔な用件を伝える

宛名の後は挨拶です。文章は状況に応じて工夫しましょう。

依頼メールでは、「突然のメールで失礼いたします」などのお詫びを入れてから、自己紹介をします。確認メールやお礼メールでは、「お世話になっております」から始め、大学名と氏名を書く流れで良いでしょう。

用件はできる限り簡潔に書きます。結論を最優先とし、お願いしたいこと、返信をもらいたい内容がはっきり分かるように工夫しましょう。

電話番号や住所を記した署名を入れる

署名の内容
○○大学△△学部××学科 (氏名) メールアドレス 携帯電話番号 住所

本文の最後には署名を入れます。署名はビジネスメールに必須のマナーです。メールを受け取った相手が円滑に対応できるよう、電話番号や住所など一通りの情報を記します。就活に関するメールには必須なため、署名が自動挿入されるよう設定しておくと便利です。

OB訪問「依頼メール」の書き方

OB訪問の依頼メールは自己紹介から入る

OB訪問の依頼メールは、自己紹介から入りましょう。素性を明らかにしないと、不審がられる可能性があります。

この時、あなたが大学の後輩であることと、OB訪問が目的であることをはっきりと書きましょう。素性と目的をはっきりさせておくことで、やり取りがスムーズに行えます。

OB訪問の目的とおおまかな所要時間を明記

メール本文にはOB訪問の目的と、おおまかな所要時間を明記します。OB・OGは就活生のために貴重な時間を割いて対応することになるため、先に見通しを示しておくことは礼儀の一つです。

なお、所要時間は長くても一時間までにし、短時間の場合にはその範囲内でできる質問を考えておきましょう。

OB訪問日時の日程調整をお願いする

OB訪問を受諾してもらえる場合には、日程調整も依頼します。あなたが訪問可能な日時を複数提示し、その範囲内で調整してもらう形を取りましょう。

大切なのは、後々変更がないよう留意することです。予定が不透明な日は外し、「確実に訪問できる日」だけをピックアップします。

OB訪問の返信への「確認メール」の書き方

OB訪問依頼メールへの返信のお礼から入る

OB・OGから返信があったら、すぐに確認メールを作成しましょう。受け入れ可能な場合は、承諾と日程調整へのお礼を伝えます。

受け入れが難しいと返信があった場合でも、必ず検討と返信をしてもらったことへの感謝を示しましょう。

OBの希望日程から訪問日時を決定する

OB・OGが指定する日時が一つなら、その日に決定します。対応可能日時を複数挙げてもらえた場合は、あなたが最も訪問しやすい日を選びましょう。メールに訪問日時をはっきりと記載し、認識に齟齬がないことを確認します。

当日話を聞く内容を大まかに伝える

OB訪問当日に話す内容も大まかに伝えましょう。必要な資料を用意したり、過去の事例を参照できるため、意図したとおりの回答を得られる可能性が高まります。こうすることで、より短い時間で、効果的なOB訪問を実現できるでしょう。

オンラインのOB訪問ではURLをメールする

先方の了解が得られれば、OB訪問をオンラインで実施しても問題ありません。その場合は、確認メールにミーティングURLを記載します。

ミーティングには専門のアプリが不要のものを選びましょう。知名度から考えるとGoogle Meetがおすすめです。

OB訪問前日にもメールを送る

念のため、OB訪問前日にもメールでリマインドします。リマインドメールの内容は、確認メールを簡素にしたもので構いません。「訪問時刻」「所要時間」「質問する内容」を簡潔に記すと良いでしょう。

なお、オンラインの場合はミーティングURLも忘れずに再掲します。当日、先方が簡単にリンクを開けるようにするための配慮です。

OB訪問後に送る「お礼メール」の書き方

当日のお礼や就活終了時の感謝を丁寧に書く

お礼メールはOB訪問後と就活終了時の二度書くのが適切です。それぞれ感謝の気持ちを自分の言葉で伝えましょう。

訪問当日には対応のお礼と話を聞けた喜びを伝える

OB訪問から帰宅後のメールには、時間を割き貴重な話を聞かせてもらえたこと、OB・OGの生の声を聞けたことへの感謝を素直に書きましょう。当日の感動が残っているうちに書いた方が、相手の心にも響くでしょう。

就活終了時には感謝を伝える目的を書く

就活終了時のメールでは、以前OB訪問でお世話になったことを、大学名と名前を添えて伝えましょう。OB訪問の経験が就活で大きな力になったことをとあわせて「一言お礼を申し上げたい」と繋げれば、自然に受け止めてもらえます。

勉強になった点を簡潔に伝える

感謝の後は、勉強になった点を簡潔に記します。「対話から何を学んだか」「今後の就活にどのように活かせるか(活かせたか)」「就活や入社後の展望」などを伝えましょう。丁寧なお礼を述べることで、OB・OGの方に「対応して良かった」と感じてもらえるでしょう。

【状況別】OB訪問メールの例文

OB訪問の依頼メールの例文

OB訪問の依頼メールの例文

OB訪問の依頼メールは、受信者からすると突然のメールとなるため、何の要件でメールをしたのか、どこから連絡先を得たのか、自分の身分を明らかにする必要があります。相手に不信感を与えないよう、本文で名乗るのはもちろんのこと、メールの署名欄は必ず付けるようにしましょう。

また、OB訪問は相手の業務時間を削って対応してもらうことになるため、相手が都合を合わせやすいよう、日程の候補は複数提示します。提示した日程の中から、時間を作って貰えることになったにも関わらず、再調整とならないよう確実にスケジュールの空いている日程を提示するようにしましょう。

OB訪問の日程を確認するメール例文

OB訪問の日程確認メールの例文

OB・OGに訪問の許可を貰い、日程が確定した場合、感謝と日程の再確認メールを送信する必要があります。許可していただいた事への感謝を伝えつつ、当日聞きたいことの概要が記載してあると相手も回答を用意しやすくなるでしょう。

また、複数の日程の候補から相手が指定した日程と場所を最後に改めて確認します。お互いに認識のズレや間違いが生じないよう、決定した日程を再度送るようにしましょう。

OB訪問前日のリマインドメールの例文

OB訪問前日のリマインドメールの例文

OB訪問の前日には、日時や場所、聞きたいことなどを記載したリマインドメールを送信します。目上の方に対してリマインドメールを送ることは失礼にあたるのではないかと思う方もいるかもしれませんが、OB・OGは日々の業務に追われているため、訪問のことを忘れている可能性もあります。

また、わざわざ時間を開けていただいたにも関わらず、当日に日程や場所が間違っていたとなると大変失礼になります。訪問前日に送ることで前挨拶のような意味合いにもなるので、リマインドメールは忘れずに送信するようにしましょう。

OB訪問を断られた場合のメール例文

OB訪問を断られた場合のお礼メールの例文

もし、OB訪問を断られてしまった場合でも、検討していただいたことに対する感謝のメールを返信するようにしましょう。社会人は多忙であるため、時間を作れないことも当然あり得ます。忙しい中、訪問を検討していただいたことや、返信をいただいたことに対するお礼の気持ちを伝えましょう。

OB訪問を行うことができなくても、会社説明会や選考にはもちろん参加することができます。OB訪問を断られてしまったからといって選考には全く関係ないため、落ち込まずに受け入れるようにしましょう。

OB訪問後に送るお礼メール例文

OB訪問の当日に送るお礼メールの例文

OB訪問終了後は、帰宅後にお礼メールを送信します。お礼メールは当日中に送ることがベストです。互いに記憶は新しいうちに、お話を聞いて感じたことや得られた学び、熱意などを具体的に記載するようにしましょう。

お礼メールは、基本的に当日中に送るのがマナーですが、遅れてしまう場合でも翌日中には必ず送るようにしましょう。

就活終了時にOB訪問先に送るお礼メール例文

就活終了後にOB訪問先に送るメールの例文

OB訪問をさせていただいた会社に就職が決まった場合、OB訪問をさせてくださった社員に内定報告とお礼メールを送りましょう。OB訪問でのお話は、その後の選考の中でも大きく役立つものです。OB訪問のおかげで内定を得られたといっても過言ではないため、お礼のメールは必ず送信しましょう。

また、内定を獲得したということは4月から同じ会社で働くということになります。将来的に上司と部下という関係になるため、挨拶やお礼のない失礼な人という印象を持たれないようにするためにも、事前の挨拶も兼ねて内定時にはメールを送りましょう。

OB訪問メールの注意点

OB訪問での不明点は先方にメールで質問する

OB訪問への不明点がある場合は、先方にメールで確認しましょう。特に待ち合わせ場所や訪問先に不安がある場合は、詳細を質問し万全を期さなければなりません。

訪問後に補足をお願いしたい場合も、メールで質問するのが良いでしょう。「何を答えれば良いか」がすぐに分かるよう、工夫して記述します。

日程に不都合が出たらすぐに連絡と日程の再調整をする

急用により日程変更が必要な場合は、できるだけ早く事実を伝えましょう。丁重にお詫びした上で、再度の日程調整をお願いします。

訪問当日の発病など急な変更は電話を使います。メールは確認までに時間差が生じ、間に合わない可能性があるのです。

OB訪問メールの返信が来ない場合も催促しない

OB訪問の依頼に返信がない場合も、催促はしないようにしましょう。何度もメールを送ったり、電話をするべきではありません。

会社について詳しく知りたいなら、採用担当者に質問する手もあります。OB・OGが多忙を極めていても、採用担当者なら返信をもらいやすいでしょう。

OB訪問以外での頻繁なメールのやりとりは避ける

OB訪問後、あなたに懇意にしてくれる人もいるでしょう。しかし頻繁なメールのやりとりはおすすめしません。OB訪問は、あくまでも会社を介した関係です。仕事中に頻繁な対応を求めるのはマナー違反であると理解しておきましょう。

OB訪問メールを送って良い時間帯

メールを送る時間帯のポイント
  • 原則は会社の営業時間内
  • 遅れる場合は終業後一時間以内に済ませる
  • 深夜・早朝のメールは厳禁
  • 土日祝日は配慮が必要

原則として企業の営業時間内に送る

OB訪問メールは原則として会社の営業時間内に送ります。パンフレットやホームページを参照し、あらかじめ営業時間を調べておきましょう。始業直後や昼休み前後など、メールを開きがちな時間帯を狙って送ることですぐに読んでもらいやすくなります。

終業後や土日のOB訪問メールは配慮が必要

やむを得ず終業後にメールする場合は、「遅くなりまして申し訳ありません」といったお詫びを一言添えます。しかし、遅くとも終業後一時間までが送信できる限度です。

土日祝日の送信も可能ですが、「お休みのところ申し訳ありません」などのお詫びは必須です。送信可能時間は、平日に合わせましょう。

就活には企業への深い理解が大切!OB訪問は貴重な経験になる

OB訪問は「しなければならないもの」ではありませんは、行えば確実に就活に効果が現れます。現場の声からは、一人で行う業界研究や企業研究では得られない情報も得ることができます。自己分析を深め、志望企業を見極めるためにOB訪問は最適です。

ただし、OB訪問はあくまで会社の営業時間内に時間を割いて対応してもらうものであるため、訪問の際は適切なビジネスマナーを守り、失礼のないよう注意しましょう。

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