選考を辞退するメールの書き方・送り方|辞退理由別の例文あり

選考を辞退するメールの書き方・送り方|辞退理由別の例文あり
この記事のまとめ
  • 選考辞退の連絡はメールでもOK
  • 選考辞退を決めた時点ですぐにメールを送る
  • 辞退する企業に対して最大限の敬意を払う

就活するときに1社だけしか選考を受けていない人は、まずいないでしょう。多くの人は、2〜3社、多い人なら5社ぐらいは同時にエントリーしているはずです。そうすると、面接の日時が重複したり、どこかの企業から早めに内定が出たりして、選考を辞退しなければならない場面が必ず訪れます。

そのようなときは、必ず選考を辞退する連絡をしなければなりません。しかし、メールで選考辞退の連絡をすることは失礼にあたるのではと不安な方も多いのではないでしょうか。本記事では、失礼にならない選考辞退のメールの書き方や送り方について解説していきます。

選考辞退した企業との縁が、どこかで巡ってこないとも限りません。マナーを弁えたメールを書きましょう。

選考を辞退するときは必ず連絡をしよう!

いくつかの企業の選考を同時に進めることは、近年では当たり前の就活のスタイルです。多くの就活生がいくつもの企業にエントリーし、内々定も複数社から受けるということも珍しくありません。

ただし、そうすると選考日程の重複や、第一志望の企業から内定を獲得したなどの理由で、別の企業の選考を辞退する場面が必ず訪れます。選考辞退を決めた際には、必ず連絡を入れるようにしましょう。無断での辞退は、企業に対して非常に失礼にあたります。

また、これから先、社会人になってから辞退した企業と何かしらのつながりが生まれないとも限りません。そのようなときに備えて、誠意を伝える辞退の連絡は確実に行っておきましょう。

選考辞退の連絡はメールでも問題ない?

基本はメールで問題ない

選考辞退は、就活生にとっても企業にとっても重要な連絡です。そのため、メールは失礼ではないのかと考える人もいるでしょう。しかし、選考辞退の連絡をメールで行うことは全く問題ありません。むしろ、昨今のビジネスにおける連絡はメールが主流です。送受信の履歴が残る、相手に対して確実に連絡できるといった理由で、メールでの連絡を推奨している企業も珍しくありません。

ただ、文章にする以上、こちらの謝意が伝わりにくくなることには留意しましょう。選考辞退という失礼な行動をするからには、相手の企業に対しては十分すぎるくらいに丁寧な文面にすることが重要です。

また、選考辞退について相手企業から返信があることも少なくありません。選考を辞退するからといって、それらのメールに失礼がないよう最後まで丁寧な対応を心掛けましょう。

直前の辞退は電話連絡にする

選考の直前、目安としては1〜2日前や当日の場合は連絡手段を電話に切り替えましょう。直前になると採用担当もメールを読んでいる時間がなく、結果的に辞退する連絡が伝わらないまま、選考が始まってしまうことも考えられます。

特に、大企業の場合はいくつかの場所で選考を行うことも多く、担当者がメールを確認できない状況にあることも珍しくありません。直前になって辞退するときは、メールよりも電話が確実です。

また、昨今はメールや電話以外にも連絡手段が豊富にあります。企業によっては特定のSNSや連絡フォームを用意していることもあり、連絡をこちらに要求することも珍しくありません。これらの連絡手段は、採用担当に確実に伝わる手段です。

いずれにせよ、辞退の連絡は、企業に把握してもらわなければ意味がありません。相手が確実に受け取れる連絡手段を活用しましょう。

選考辞退のメールを送るときのポイント

選考を辞退すると決めたらすぐに送る

選考辞退のメールは、辞退を決めたらできるだけ早いタイミングで送りましょう。企業にとって就活の選考は、これから自社で働いてくれる人を選ぶものです。辞退者が出たとなれば、再度選考の機会を設けたり、次点の人を繰り上げたりしなければなりません。

選考辞退の連絡は、企業の採用計画や今後の経営計画にも大きな影響を与えるものです。早ければ早いほど企業も次の行動を考えやすくなるため、先延ばしにせずに決断した段階でメールを送りましょう。

特に、就職サイトやエージェントなどの第三者を間に挟む場合は、より迅速な行動が求められます。どうしてもやり取りが遅れてしまうため、採用担当が確認できるのが次の選考日当日になってしまった、という事態も十分に考えられます。言いにくい連絡だからこそ、早めの行動が肝心です。

相手企業の営業時間内にメールを送る

メールの利点は、相手の状況を考えなくても済むというところにあります。しかし、夜中など就業時間外の時間帯に送っても企業は確認できません。確認が漏れるだけではなく、相手の都合を考えていないという印象を与えてしまうため、メールを送る時間は相手企業の営業時間内に行いましょう。

勿論、営業時間内ならいつでもよいという訳でもありません。業務開始直後終了直前、他にも昼休みの前後などは企業側も忙しく、すぐにメールが確認できる状況とは限りません。重要な連絡をすぐに確認して対応してもらえるように、これらの時間帯は避けて送ります。どうしても企業の営業時間を過ぎるのであれば、「夜分に失礼します」と一言添えましょう。

適切な連絡先に送る

選考辞退は企業の状況を左右する重要な連絡です。そのため、送った・送っていないのトラブルは確実に防がなくてはなりません。そのため、宛先として最も確実なのは企業の人事課などの採用担当者への直通メールです。複数人の連絡先を知っているならば、その全員に送ると企業側も確認漏れを出さずに済みます。

もし、企業の問い合わせフォームなどにある会社全体のアドレスにメールを送る場合は、採用担当に確実に届けるための工夫が求められます。メールの件名に「採用担当〇〇様」や「人事部宛」など、誰に当てたものなのかを明記して、確認した人が迅速に採用担当へ回覧できるようにしておきましょう。また、メールを送った後で電話を一本入れておくと、より誠実な対応となります。

選考辞退のメールを書くときのポイント

件名に「選考辞退」の旨を記載する

採用辞退のメールの書き方は、一般的なビジネスメールの書き方に準じます。ビジネスマンは1日に多くのメールを受信しているため、件名だけで誰からのどのような用件であるかが判別できなければ、後回しにされたり読まれずに削除されたりする可能性があります。

選考辞退メールも、企業がすぐに読んで対応できるように、件名は「選考辞退のお詫び」として、続けて学校名や学部名、氏名などを書きましょう。こうすることで、採用担当も件名を見ただけで、誰からの何のメールなのか瞬時に判断することができます。

辞退の理由を明確にする必要はない

選考を辞退する理由を明確に説明する必要はありません。選考を辞退する理由のなかには言いにくい事情もあるため、「一身上の都合により」「諸般の事情により」などの形式的な表現でも企業は十分に受け取ってくれます。

企業を納得させようと具体的に書いたり、長々と自分の気持ちを盛り込みすぎたりすると、かえって内容が分かりにくくなってしまうので、注意が必要です。

ただ、なかには今後の採用プロセスの改善を意図して、選考を辞退する理由を質問してくる採用担当もいます。このときも辞退する理由を正直に回答する必要はありませんが、答えられるなら理由を伝えた方が誠実です。

また、就活生側のどうしようもない事情、たとえば、災害にあった、身内に不幸があったなどの理由である場合、採用担当から日程の再設定などの提案を頂ける場合もあります。

お礼とお詫びの気持ちが伝わる文章にする

辞退する理由が何であれ、失礼なことをしていることには変わりありません。企業も1人の新入社員を採用するために莫大なコストと時間をかけています。その時間や労力に対する感謝の気持ちと、辞退することへのお詫びの気持ちを必ず本文に添えることで、誠意のこもったメールになります。

前述の通り、メールは分かりやすさが求められます。お礼の言葉やお詫びの言葉も簡潔に定型文でまとめてしまいましょう。また、誤字脱字は企業がメール連絡において、最も嫌います。見直して確認しておきましょう。

メールの最後には締めの言葉と署名を書く

文章の最後は、「貴社のますますの発展」「社員の皆様のご多幸を期して」など、手紙としての結びの文章をいれておきます。辞退のメールで一度企業との縁は切れるため、「今後とも〜」というようなつながりを期待するような内容は避けておきましょう。

選考辞退のメールの一番最後には、自分が書いたことを示すための署名を添えます。署名には以下の4つの項目が必要です。

署名にいれる内容
  • 自分の名前
  • 大学名と学部名、学科名
  • 電話番号
  • メールアドレス

このような署名は就活中に何度も使用することになります。メールで署名の設定をしておきましょう。また、署名の上下にはハイフンラインを入れることで、本文との切れ目が分かりやすくなります。

選考辞退するメールの例文

送る前にチェックするポイント
  • 1
    メールアドレス、宛先の企業名・担当者名に間違いはないか
  • 2
    いつ、どこで行われる選考なのか記載はあるか
  • 3
    文章は簡潔にまとまっているか、また誤字脱字はないか
  • 4
    最後に署名をしてあるか

他社に内定を得た場合

他社に内定を得た場合の選考辞退メールの例文

他社に内定を得て辞退する場合、内定を得た企業名は必ず伏せましょう。採用情報も立派な企業の機密情報です。分かる人が見れば、内定を得た企業がどんな採用活動を行っているのかが分かってしまいます。絶対に「他社」と表記するようにしましょう。

家庭の事情がある場合

家庭の事情がある場合の選考辞退メールの例文

家庭の事情はデリケートな部分も多いため、詳細を伏せて「家庭の事情」として伝えても問題ありません。ただ、選考が進んでいると企業としても新しく採用枠を用意することが難しいこともあるため、日程の調整などを提案してもらえることもあります。

そのため、今後全く継続する意思がないならば、素直にその旨を伝えましょう。

言いにくい事情がある場合

言いにくい事情がある場合の選考辞退メールの例文

辞退する理由を言いたくないなら、「諸般の事情」「一身上の都合」など完全に伏せても問題ありません。企業も就活生の側の言いにくい事情を汲み取ってくれます。

選考辞退の連絡メールに必要なことは、誠実さと簡潔さです。理由をこねくり回すよりは、定型文でも「諸般の事情」という理由を添えましょう。

選考を辞退するときは誠実な対応を心がけよう

直近では再び売り手市場になりつつあると言ってよい状況ですが、だからこそ一社一社に対して誠実な対応が求められます。

選考辞退のメールは、送った後にもその企業と関わる機会がある可能性もあるため、必ず誠意をもって作成するようにしましょう。自分の事情で辞退する以上、先方に対してできるだけ迷惑をかけない配慮をするのが、社会人としての対応です。

この記事を参考に、企業へ失礼のない形で選考辞退の意思を伝え、その後の関係も良好に保てるように心がけましょう。