履歴書の書き間違いにどう対応する?正しい修正方法とミスを防ぐポイント

履歴書の書き間違いにどう対応する?正しい修正方法とミスを防ぐポイント
この記事のまとめ
  • 履歴書を書き間違えたら、新しく書き直すのが基本
  • 書き直せない場合は、二重線に訂正印で対応する
  • 履歴書を書き間違えないためには工夫が必要
  • 指示がなければパソコンで履歴書を作成できる

履歴書は採用担当者にとって、あなたを知る最初のきっかけとなります。そのため、書き間違いや修正がなく、印象のよい履歴書を作成しなければなりません。履歴書を書き損じてしまった場合、なんとかして間違えた部分だけを修正したいと考えることもあるでしょう。

本記事では、履歴書を書き損じてしまった場合の対応について、相手に与える印象も含めて解説しています。また、修正でやってはいけないことや、履歴書を書き間違えないための方法などについても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

履歴書の書き間違いが採用に与える影響

履歴書は、 就職活動において採用担当者が最初に目にする、あなたに関する資料です。採用担当者は、履歴書からあなたがどんな人物なのかを想像します。

履歴書に書き間違いが多ければ、注意力が散漫なのではないか、十分な準備をしていないのではないかといった疑いを持たれる可能性があります。仕事に対する真剣さが足りないと判断されてしまえば、面接に進むことすらできず、選考において不利になることも考えられるでしょう。

とくに正確さが求められる業務を必要とする企業に入社したいと考えている場合、書き間違いの多い履歴書は大きなマイナス要素になることも考えられます。

たかが履歴書と思わず、採用に与える影響をしっかりと理解して、正確な履歴書を作成しましょう。

履歴書の修正は基本的にNG

履歴書は採用に関わる資料で、あなたの身分を正式に証明している書類です。

正式な書類に修正がされていると、第三者による改ざんや不都合な内容の隠ぺいを疑われることにもつながり、結果的に記載されている内容全体の信ぴょう性が低くなります。つまり、履歴書を修正することは、企業側に不信感を抱かせる原因になるということです。

相手の誤解を招かないためにも、履歴書は修正のない状態で提出しましょう。

履歴書を書き間違えた時は新しく書き直すのが基本

履歴書を書き間違えた場合は、修正をせず新しく書き直すのが基本です。

厚生労働省が公表している「応募書類の作り方」の中でも、「間違えた場合、修正液、修正テープ、二重線、訂正印などを用いたとしても修正することは厳禁とされており、最初から書き直す必要があります。」と記載されています。

書き間違えることを前提に、履歴書は予備を用意しておくのがおすすめです。履歴書にはさまざまな様式がありますが、厚生労働省が推奨する履歴書をプリントアウトして使用するのもよいでしょう。

プリントアウトした履歴書を使用する場合は普通紙でも問題ありませんが、0.1~0.2mmの厚さがある上質紙を使うと見栄えがよくなります。

参照:履歴書・職務経歴書の書き方|ハローワークインターネットサービス

参照:新たな履歴書の様式例の作成について|厚生労働省

履歴書を書き直せない場合の修正方法

履歴書の書き間違いは、基本的に書き直す必要があります。しかし、履歴書が企業指定の専用用紙だった場合や、履歴書を書き直す時間がない場合など、やむを得ない事情があることもあるでしょう。そのような時は、「正式な方法で修正」することも可能です。

以下では、正式な書類に修正する正しい方法と、履歴書を修正するためにやってはいけないことについて解説します。

訂正は二重線を引いて訂正印を押す

訂正は二重線を引いて訂正印を押す

正式な書類を修正する場合は、間違えた箇所に二重線を引き、その上に訂正印を押します。その後、正式な情報を修正した場所の近くに記載します。二重線は定規を使って真っ直ぐに引きましょう。

訂正印とは、公文書の誤記を訂正するために押されるはんこのことです。誰がその場所の訂正を行なったのかを明確にするため、修正箇所にはんこを押します。

スタンプ式ネーム印のシャチハタは便利ですが、既製品で同じ印影のものが広く流通しています。第三者が成りすまして訂正できる可能性があるため、公的な書類などでの使用は基本的に認められていません。

履歴書を書き間違えた場合は、必ず正式な方法で修正をしてください。

修正ペンや修正テープは使用しない

履歴書の修正に、修正ペンや修正テープは使用できません。修正ペンや修正テープを使用すると、誰がいつ修正したものなのかが不明確になります。つまり、企業に「記載内容に信憑性のない、いい加減な書類」と捉えられる恐れがあるからです。

また、修正ペンや修正テープを使うと、修正箇所が一目瞭然でだらしない印象を与えます。

履歴書は「書き間違えたら、修正ペンや修正テープで直せばいい」という軽い気持ちで書くべきものではありません。書き間違えないよう、細心の注意を払って作成しましょう。

砂消しやカッターで修正部分を削らない

修正する部分を砂消しやカッターで削り取って修正を試みる人もいますが、これも推奨できません。紙が薄くなったり毛羽立ったりして、不自然な印象を与えます。

書き間違いを、バレないようになんとか修正したいという気持ちは理解できますが、履歴書は正式な書類です。こっそり修正することは、相手に「素直さがないのでは?」「会社で失敗しても隠すのでは?」という疑念を抱かせます。

会社では、失敗を隠すと取り返しのつかないことになる恐れがあるため、物事を隠そうとする人物は信用されません。書き間違えをした場合は、隠すのではなく潔く修正する方がよいでしょう。

消えるボールペンは使用しない

書いた文字を消せるボールペンは、書き間違えを簡単に修正できる便利なアイテムです。しかし、高温や摩擦で文字がかすれたり消えたりする恐れがあるため、履歴書には使用しないでください。

簡単に文字が消せるということは、言い換えると「誰でも修正や改ざんができる」ということです。公式の書類で重要なのは、信ぴょう性です。消えるボールペンで書いた履歴書は、正式な書類として見てもらえなくなるだけでなく、書いた人の社会常識も疑われることになりかねません。

消えるボールペンのインクは、通常の黒ボールペンに比べると若干色が薄い傾向にあります。履歴書を見る機会の多い採用担当者は、消えるボールペンで書かれている履歴書に一目で気づくことでしょう。

履歴書を書く場合には、水に強い油性ゲルインクの黒ボールペンを使用するのがおすすめです。

履歴書を書き間違えないためのポイント

時間に余裕を持って作成する

履歴書を書き間違えないためには、時間に余裕を持って履歴書を作成することが重要です。

時間に余裕があれば、丁寧に履歴書を作成できますし、最終的にミスがないかも入念にチェックできます。本当にその会社に入社したいという想いを伝えたいなら、履歴書の内容ももちろんですが、「書き間違いがない」「丁寧に書かれている」など、履歴書から受ける全体の印象も大切にしなければなりません。

履歴書は余裕を持って作成し、締切間際にならないよう、余裕を持って提出してください。履歴書を郵送する場合は、配送にかかる時間も考慮する必要があります。また、締切日の確認とともに「必着」なのか「当日消印有効」なのかも確認しておくと安心です。

履歴書に鉛筆で下書きをする

履歴書の書き間違いを防ぐため、あらかじめ鉛筆で薄く下書きしておくのもおすすめの方法です。

下書きを入れておけば、誤字脱字などの書き間違いを防げるだけでなく、文字の間隔や行間など全体のバランスを調整できるため、整った履歴書を作成できます。見た目にもきれいな履歴書は、採用担当者に好印象を与えるでしょう。

下書きは跡が残らないよう、シャーペンではなくHまたはHBの鉛筆を使用するのがおすすめです。あとから消せるよう、力を入れず薄く書きましょう。

下書きが完成したら、間違いがないかを再度確認し、ボールペンでなぞっていきます。インクが完全に乾いたことを確認後、よく消える消しゴムで下書きを消しておきましょう。

鉛筆で薄く下書きする方法は、全体のバランスがよい履歴書に仕上がるので非常におすすめです。

履歴書の見本を作成する

鉛筆で下書きするほど時間的な余裕がない場合には、履歴書の見本を作成し、それをお手本にして書き写すとよいでしょう。

就活では履歴書を何枚も書くため、個人情報や学歴、資格などはあらかじめ見本を作っておくと便利です。自己PRや志望動機は、会社によって変える必要があるので、見本を書き写すようにすれば、履歴書で書き間違えるリスクを減らせます。

履歴書を書く環境を整える

履歴書を間違えずに書くには、集中力が必要です。まずは、集中できる環境を整えましょう。

テレビがついていたり、人が多かったりする場所では、注意力が散漫になりがちです。落ち着いて作業することで、書き間違いは減らせます。履歴書を書く際は、静かな場所を選んでください。

また、机の上を整理整頓し履歴書を書くために必要なアイテムをあらかじめ揃えておけば、作業が途中で中断することもなく、集中して履歴書を作成できるでしょう。

第三者にチェックしてもらう

書き間違いを防止するためには、下書きの段階で自分以外の人に履歴書を確認してもらうとよいでしょう。

第三者による確認は、自分では気づきにくい誤字脱字や記載ミスを見つける有効な手段です。もし、まわりに確認してくれる人がいない場合は、自分で声に出して読んでみるのもおすすめです。

視覚だけでなく聴覚も利用することは、第三者に確認してもらうのと同じような効果があります。同様に、パソコンの読み上げ機能を使ってみるのもよいでしょう。

自分で履歴書を読むだけでなく、他の方法もうまく活用して、書き間違いのない履歴書に仕上げましょう。

履歴書を提出後に間違いに気づいた場合の対処法

履歴書を提出したあとに間違いに気づいた場合の対応は、間違えた箇所の重要度によって変わります。

1~2ヶ所の誤字・脱字程度であれば、採用に影響するとは考えにくいため、重要度は低いといえるでしょう。また、履歴書は記入した時点の情報をもとにしているため、履歴書提出後に資格を取得したり、情報が更新されたりした場合の連絡も不要です。

むしろ間違いや情報更新のために連絡をしたり、履歴書を再送したりすることは、相手の負担を増やすことにもなりかねません。

連絡をしなければならないのは、連絡先を間違えた場合などです。この場合は、選考に支障をきたす恐れもあるため、履歴書の修正が必要です。

電話かメールで連絡する

重要度の高い履歴書の間違いを発見した場合は、速やかに企業に連絡しましょう。連絡方法は電話、メールどちらでも問題ありません。

修正箇所と正しい内容を明確にする必要があるため、時間に余裕があるのであればメールで伝えるとわかりやすい場合もあります。緊急の場合は、電話で修正内容があることを伝えた上で、あとからメールを送信、もしくは履歴書を再送するのもよいでしょう。

どのようにするのがよいのかは、採用担当の方に相談してみてください。

履歴書を再送・もしくは持参する

修正すべきところがあまりにも多い場合は、履歴書を再送することも検討しましょう。なお再送する場合は、あらかじめ担当者に電話やメールで再送する旨を伝えておきます。

再送する時間に余裕がない場合には、面接や会社説明会などの機会に新しい履歴書を持参しましょう。

履歴書を再送する場合に添える文章は、以下を参考にしてください。

履歴書を再送する場合の例文・メール

履歴書を再送する場合の例文・メール

履歴書を再送する場合の例文・郵送

履歴書を再送する場合の例文・郵送

履歴書をパソコンで作成するのもアリ

近頃、履歴書は手書きとパソコンのどちらで作成しても問題ないとされています。応募要項の履歴書に関して「手書きで」と記載されていない場合は、履歴書をパソコンで作成するのもよいでしょう。

履歴書をパソコンで作成する最大のメリットは、効率がよいことです。履歴書の内容を簡単に修正できるだけでなく、一度入力して登録しておけば、学歴や資格などの情報を再度入力する手間が省けます。

履歴書をパソコンで作成するデメリットはとくにありませんが、ほかの企業に応募する際に、間違って前回の企業情報を記載したままにしないよう、くれぐれも気をつけてください。

書き間違いのない履歴書で自信を持って就活に臨もう!

履歴書は、書き間違いのないように作成しなければなりません。万が一書き損じてしまった場合は、新しく書き直すのが基本です。しかし、どうしても新しく書き直せない事情がある場合には、二重線を引いた上から訂正印を押して修正しましょう。

修正の方法として修正ペン修正テープを使用したり、文字を削り取ったりすることは、相手によい印象を与えません。消えるボールペンを使用することも、社会的なマナーとしてはルール違反です。

履歴書を書き間違えないためには、下書きをしたり環境を整えたりするなど工夫をすることが大切です。さまざまな方法で何度も確認をし、書き間違いのない履歴書を作成しましょう。「手書き」指定がないのであれば、パソコンで作成するのもおすすめです。

履歴書は、企業の担当者があなたのことを知るために重要な書類です。履歴書の印象で就活の結果が左右されるといっても過言ではありません。書き間違いには十分注意し、完璧な履歴書を武器に、自信を持って就活に臨みましょう。

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