- 就職活動ではリクルートスーツを着用
- リクルートスーツとビジネススーツは生地や価格が違う
- リクルートスーツは就活以外でも着用できる
- リクルートスーツは選び方や着こなしが大切
就職活動の際に着用されるリクルートスーツは、一般的なスーツとどう違うのでしょうか。リクルートスーツは就活に特化して作られるもので、一般的に着用されるスーツとはさまざまな点で異なります。
本記事では、リクルートスーツとビジネススーツの違いについて解説していきます。あわせて、リクルートスーツの就活以外での着用シーンやリクルートスーツの選び方のポイント、正しい着こなし方についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
そもそもリクルートスーツとは?
リクルートスーツとは、就職活動のためにデザインされたスーツです。派手さを抑えた、シンプルかつフォーマルなデザインが特徴で、初対面の企業関係者に対して清潔感や誠実さをアピールできます。
特に新卒者が初めて購入するスーツとして選ばれることが多く、面接や会社説明会、OB・OG訪問などの公式な場で使用されます。リクルートスーツは一般的に、黒または濃紺の無地が主流です。アクセサリーや装飾は最小限に抑え、ビジネスマナーに沿った控えめな印象を与えることを目的としています。
リクルートスーツとビジネススーツはどう違う?
リクルートスーツが就職活動で使うスーツであるのに対して、就活を終えて入社してから着用するのがビジネススーツです。
リクルートスーツとビジネススーツには、用途やデザイン、素材などに細かな違いがあります。それぞれの特徴を見てみましょう。
用途の違い
リクルートスーツはおもに就職活動時に着用され、面接や企業訪問、会社説明会などの場で使用されます。大学生や新卒者が初めてのスーツとして購入することが多いのが、リクルートスーツです。
一方、ビジネススーツは日常の仕事やビジネスシーン全般で着用されます。新入社員の間はリクルートスーツで仕事し、入社後しばらくして経済的に余裕ができてからビジネススーツを新調する人も多くいます。
生地の違い
リクルートスーツとビジネススーツは、生地に含まれるウールとポリエステルの割合が異なります。
リクルートスーツは、学生たちが就活の間頻繁に使うことを考慮し、シワができにくいポリエステルを多めに使用して作られています。一方、ビジネススーツは、高級感を重視してウールの割合を多めに作られていることが多いのが特徴です。
色・デザインの違い
リクルートスーツは、一般的に黒か濃紺を基調として作られるのが主流です。デザインもシンプルで、派手な装飾や柄は避けられる傾向にあります。
一方、ビジネススーツはより多様な色やデザインが許容されているため、紺やグレーの色合いのもの、ストライプやチェックの柄の入ったものなどが選択肢に含まれます。
価格の違い
一般的に、リクルートスーツはビジネススーツよりも価格が抑えられています。これは、学生や新卒者が購入しやすいように設定されていることや、就活という短い期間のみ使用されることを想定して作られていることが関係しています。
ビジネススーツは、一般的にリクルートスーツより高い価格が設定されていることが多い傾向にありますが、素材やブランドによって価格帯はさまざまです。
ビジネススーツで就活に臨むのはあり?
リクルートスーツはさまざまな面でビジネススーツと異なりますが、ビジネススーツで就活に臨むことの可否に悩む人も少なくありません。
結論からいうと、就活でビジネススーツを着用することは可能です。入社後も使えるように、最初からビジネススーツを購入する学生も多くいます。
ただし、派手な色やデザインは避け、リクルートスーツに近いシンプルなものを選ぶことが重要です。また、ハイブランドのスーツも嫌味っぽくなってしまうので避けましょう。
就活においては、面接官に与える印象を考慮し、清潔感や誠実さをアピールできる服装を心がけることが大切です。
リクルートスーツを選ぶ際の5つのコツ
色は濃紺か黒を選ぶ
リクルートスーツの基本カラーは、黒か濃紺です。これらの色は落ち着きがあり、信頼感を与えるため、面接官に良い印象を与えられるでしょう。
黒か濃紺以外の色を選ぶと、悪目立ちしてしまうだけでなく、企業関係者から協調性のない人物とみなされる可能性もあるため避けましょう。
シンプルなデザインを選ぶ
リクルートスーツを選ぶ際は、派手なデザインや柄は避け、シンプルなデザインを選びましょう。これにより、清潔感や誠実さをアピールできます。
中にはストライプやチェックのものもありますが、カジュアルな印象を与えてしまうため、避けた方が無難です。リクルートスーツには、主張を抑えた無地のものを選ぶ必要があります。
体型に合ったサイズを選ぶ
リクルートスーツは自分の体型に合ったサイズを選ぶことが重要です。大きすぎたり小さすぎたりするスーツは見た目が悪いうえ、動きにくさも感じてしまいます。
女性の場合は、スカートの丈にも注意が必要です。スカート丈の長さの目安は、座ったときに、膝から少し上に下端がくる長さがベストです。
最近は比較的リーズナブルな価格でオーダースーツを作ることができるので、自分に合ったスーツを作る人も。自分に合ったスーツで良い印象を与えられるように身なりを整えましょう。
動きやすさを確認する
リクルートスーツは長時間着用することが多いため、試着して動きやすさを確認しましょう。座ったり立ったりする動作を実際に行い、スーツが窮屈にならないか確認することが大切です。特に、座った際にジャケットのボタンが引っ張られないか、パンツやスカートが突っ張っていないかなどをチェックしてください。
ジャケットの袖丈やパンツ・スカートの裾丈も重要です。袖丈は手首の骨が隠れる程度が適切で、裾丈は立ったり座ったりした際に違和感がない長さが適しています。パンツの場合は、立った際にくるぶしが見えない長さが理想です。
耐久性のある素材を選ぶ
就職活動中は頻繁にスーツを着るため、耐久性のある素材を選びましょう。
ウールは通気性が良く、シワになりにくい特性がありますが、お手入れに注意が必要です。一方、ポリエステルは丈夫で扱いやすく、洗濯も比較的簡単です。最近では、この両者をバランス良く配合した「ウール50%、ポリエステル50%」の混紡素材が人気です。
ただし、リクルートスーツはビジネススーツに比べると耐久性の面では劣ります。耐久性を重視してスーツを購入する場合は、初めからビジネススーツを購入することも選択肢に入れておくと良いでしょう。
【男女別】リクルートスーツの正しい着こなし方
【男性】リクルートスーツの着用のポイント
シャツ
リクルートスーツを着る際、シャツは白の無地が基本です。生地は綿100%かポリエステル混紡を選び、襟型はレギュラーカラーを選びましょう。サイズ感は首回りに指1本入る程度、袖丈はジャケットの袖口から1cm程度見える長さが理想的です。
アイロンがけを忘れずに行い、清潔感を保ちましょう。汗染みが気になる場合は、脇に汗取りパッドを使用するのもおすすめです。
ネクタイ
ネクタイは濃紺やエンジなどの落ち着いた色味を選びましょう。柄は無地やストライプ、小紋柄が適しています。結び方はディンプル(ネクタイの結び目の下にできるくぼみ)を作るのがポイント。
長さは、ベルトのバックルに先端が触れる程度が理想的です。就活中は2〜3本用意し、ローテーションで使用すると良いでしょう。
靴
靴は黒の革靴が基本です。プレーントゥやストレートチップなどのシンプルなデザインを選びましょう。サイズは足の指が軽く動かせる程度の余裕があるものを。
履き慣らしは必須で、面接当日に初めて履くのは避けましょう。手入れは欠かさず行い、常に清潔で光沢のある状態を保ちます。靴紐の結び方も整えることを忘れずに。
ベルト
ベルトは黒の革製で、幅は3cm程度のものを選びます。バックルは金属製の小ぶりなものが適しています。
長さは、ウエストに巻いた時に余りが5〜7cm程度になるものを選びましょう。ベルトの革の質感は、靴と合わせるのが理想的です。傷や擦れがないか日々チェックし、必要に応じて革用クリームなどでケアしましょう。
ソックス
ソックスは黒か濃紺の無地を選びます。丈は、座った時に素肌が見えない程度の長さ(ハイソックス)が適切です。
折り目やほつれがないか確認し、毎日清潔なものに履き替えましょう。万が一のときのために、予備を持参するのもおすすめです。
【女性】リクルートスーツの着用のポイント
トップス
ブラウスは白か淡いパステルカラーを選びます。下着やインナーが透けないように注意しましょう。襟元はVネックや小さめの襟付きが適しています。
袖はジャケットの袖口から1cm程度見える長さに。ボタンの開き具合に気を付け、胸元が開きすぎないよう注意が必要です。アイロンがけを忘れずに行い、清潔感を保ちましょう。
パンプス
パンプスは黒の革製で、ヒールの高さは3〜5cm程度が適切です。つま先が尖りすぎていないラウンドトゥやスクエアトゥを選びましょう。サイズは足の指が軽く動かせる程度の余裕があるものが、歩きやすくおすすめです。
履き慣らしは必須で、面接当日に初めて履くのは避けましょう。靴底の滑り止めやかかとのパッドを使うと、歩きやすさと快適さがアップします。
ストッキング
ストッキングはベージュか黒の薄手のものを選びます。デニール数は20〜30デニール程度が適切です。素足に見えるシアータイプも人気ですが、面接ではより落ち着いた印象のベージュがおすすめです。
伝線に備えて予備を持参しましょう。履く時は爪や指輪で引っかけないよう注意し、丁寧に扱ってください。
バッグ
バッグは黒や濃紺の革製で、A4サイズの書類が入る大きさのものを選びます。シンプルなデザインで、派手な装飾がないものが適しています。
ショルダーストラップ付きのものを選ぶと、両手が空くため便利です。内部には仕切りやポケットがあるものを選び、書類や小物を整理しやすくしましょう。手入れを怠らず、清潔な状態を保つよう心がけてください。
アクセサリー
アクセサリーは基本的に腕時計のみと考えておきましょう。ネックレスやイヤリング、指輪は基本的に不可です。耳にピアス穴が空いている場合は透明なピアスを着けるか、目立たないようなシンプルなピアスを着けましょう。
アクセサリーも含め、全体的に華美にならないよう注意し、清潔感と誠実さを重視した服装を心がけてください。
【着用シーン別】リクルートスーツは就活以外で着てもいい?
卒業式
卒業式のリクルートスーツの着用は、一般的に可とされています。卒業式の段階ではリクルートスーツしか持っていない学生も多いため、周囲から浮くこともありません。
卒業式でリクルートスーツを着用する際は、就活ほどシンプルさを意識する必要はないため、ネクタイやシャツなどで遊び心を取り入れても良いでしょう。
たとえば、明るい色のネクタイや柄物のシャツを合わせると、卒業式という晴れの場にふさわしい服装になります。また、靴下やストッキングの色を変えても良いでしょう。
結婚式
結婚式でリクルートスーツを着用するのは、一般的ではありません。リクルートスーツ特有の使用感や安っぽさが、ふさわしくないとされる場合もあるためです。
特に新郎新婦の近しい関係者である場合は、ブラックスーツやネイビーのダークスーツなど、より華やかな服装が望ましいでしょう。
お葬式
お葬式でリクルートスーツを着用するのは、グレーゾーンにあたります。学生や新入社員の間であれば許容範囲ですが、冠婚葬祭用のスーツを新調するのが一般的です。
特に会社関係のお通夜やお葬式では、よりフォーマルな喪服が望ましいでしょう。
ただし、どうしてもリクルートスーツを着用せざるを得ない場合は、いくつかの注意点があります。まず、シャツは白の無地のものを選びましょう。腕時計以外のアクセサリーは外し、シンプルさを心がけます。ネクタイは黒の無地を選び、光沢のあるものは避けましょう。靴下やストッキングも、黒の無地のものを選びます。
リクルートスーツとビジネススーツを正しく使い分けよう
リクルートスーツとビジネススーツでは、用途やデザイン、価格などが大きく異なります。それぞれの特徴や違いを理解することで、TPOに合った服装を選べるでしょう。
また、シーンに適した装いを心がけることで、第一印象を良くし、周囲との信頼感を築くことにもつながります。就職活動やビジネスシーンで成功を収めるために、適切なスーツ選びを心がけましょう。