【例文付き】内定辞退はいつまで?電話・メールのマナーを解説

【例文付き】内定辞退はいつまで?電話・メールのマナーを解説
この記事のまとめ
  • 内定式までには辞退を伝えるのが無難
  • 原則14日前までなら内定辞退が可能
  • なるべく早く連絡することが最も大事
  • 連絡方法は電話がベスト

内定辞退はいつまでに連絡すべき?

数多くの企業を受けている就活生が、内定を辞退すること自体は悪いことではありません。しかし、予算や時間をかけて採用活動をしている企業に対しては、時期が遅くなるほど迷惑がかかることになります。内定辞退が決まった段階で、できるだけ早く連絡することが就活生側のマナーでもあります。

今回は、具体的にいつまでなら内定辞退が受け入れられるのかを、伝え方のマナーや例文とあわせて解説していきます。

内定式までに辞退するのが無難

内定を辞退する場合、遅くとも内定式までには連絡を入れるのが無難だとされています。通常、内定式は10月1日に開催されることが多く、これ以降は研修や配属決定など本格的な入社に向けた段階になります。また、内定者研修や懇親会など、内定者で集まることが多くなる時期になると、辞退を伝えるのがさらに難しくなります。

また、署名や印鑑が必要な内定承諾書の記入を求められることがありますが、提出後も内定辞退は可能です。内定承諾書に法的拘束力はないため、焦らず対応しましょう。

法律上は「入社予定日の2週間前」

法律(民法627条)では、2週間前までに辞退を通達すれば、どのような労働契約でも解約できることが保障されています。この期間を過ぎてしまうと、場合によっては入社が決まっている会社で働けなくなることもあるため、注意しましょう。

しかし、入社直前に辞退するのは企業側へのマナーに欠け、トラブルの原因になることも考えられます。2週間前まででいいからといってギリギリに連絡するのではなく、辞退を決めた時点で迅速に連絡をしましょう。

内定辞退を伝える時に気を付けること

なるべく早く連絡する

前述した通り、辞退することが決まった時点で、なるべく早く連絡しましょう。早めに伝えることで、企業側も採用活動を続ける中で採用人数を増やしたり、部署配置を考え直す時間ができ、かかる迷惑を最低限に抑えることができます。

またギリギリに伝えることで起こるトラブルのリスクを減らすことができます。何事も早め早めの行動を心がけ、トラブルを防ぎましょう。

お詫びと感謝の言葉を忘れない

企業側も内定を辞退する就活生がいることを見越して、予定数よりも多く内定を出しています。しかし、内定辞退者が多いと人材不足などの迷惑をかける可能性も大いにあります。

自分が入社を希望し、面接などの選考を実施してもらい、内定を出してくれた企業を辞退するのですから、その企業への礼儀を忘れないようにしましょう。内定辞退へのお詫びの言葉と、内定や採用活動に対する感謝の言葉も必ず伝えてください。

電話で伝える

内定辞退を伝える際は、基本的に電話で伝えるのがマナーです。直接伝えることで誤解が生じにくいというメリットもあります。また、メールだと担当者に伝わったかが分かりにくく、確実に伝えるためには電話が適しています。

電話をかける際には、時間帯にも注意が必要です。始業直後や退勤直前、昼休みの時間は避けましょう。電話連絡のビジネスマナーも心に留め、誠意をもって連絡しましょう。

辞退の理由に触れる必要はない

企業側に聞かれない限り、内定辞退の理由を伝える必要はありません。「どうしても」と聞かれた場合のみ、できるだけ正直に答えるようにしましょう。

ただし、「より良い会社に内定をもらったから」「他の会社の方が好待遇だったから」など、その企業に対して失礼になる理由は避けます。「熟考の結果」「一身上の都合」など当たり障りのない表現を使い、企業への気遣いを忘れないようにしましょう。

内定を承諾した企業名を伝える必要はない

「これからの採用活動に活かすために」という理由で企業側から内定先の企業名を聞かれることがありますが、これに答える義務はありません。ただ、大まかな業種・職種などを答えると親切です。企業名を伝えたところで直接連絡が行く、などは考えづらいので安心してください。

ただし、内定辞退する会社と内定が出た会社が競合企業だった場合は、企業名を伝えないのが無難です。全く違う業界の場合のみ伝えるようにしましょう。

直接出向く必要はない

丁寧な対応が必要とはいえ、会社に直接行ってお詫びする必要はありません。昔はそのような慣習がありましたが、現在では逆に採用担当者の迷惑になることも考え、電話かメールで伝えるのが良いでしょう。

また、内定辞退を伝えた際に「直接会いたい」と言われることがありますが、引き止められる場合があるので注意しましょう。内定辞退を取り消すまで帰してくれないケースも考えられるため、引き止められる可能性を考えて直接会わずに辞退を伝えるのがおすすめです。

内定辞退を伝える方法

電話

内定連絡を電話でもらった場合は、辞退連絡も電話でしましょう。内定連絡のメールに返信する形でもかまいませんが、電話で確実に伝える方が丁寧です。

ただし、電話をする際には言葉遣いや時間帯など注意する点も多いため、必ずマナーに則って連絡するようにしましょう。

メール

電話をかけた際に採用担当者がいなかった、などの理由がある場合はメールで連絡することも可能です。しかし、メールで内定辞退を伝えた後に「電話で話したい」と言われることも多く、初めから電話で連絡する方が効率的でしょう。

また、やむを得ずメールで連絡する場合は、「電話でご連絡差し上げようと思いましたが~」などの文言を入れるのがお勧めです。基本は電話で連絡すべきというスタンスを崩さないようにしましょう。

内定辞退を伝える例文

ここでは、内定承諾前に内定辞退をする場合の例文を紹介します。一度承諾した後に辞退する際には、「内定承諾後の提出後で大変申し訳ありませんが」などの文言を入れて、さらに丁寧な対応をするように心がけましょう。

また、御社と貴社の使い分けにも注意が必要です。話し言葉で使うのが「御社」、書き言葉で使うのが「貴社」となります。

内定辞退の連絡で伝える内容
  • 内定を頂いたことに対しての感謝
  • 選考過程の対応への感謝
  • 内定辞退の簡潔な理由
  • 内定辞退へのお詫び

電話で辞退連絡をする場合の例文

電話で内定辞退の連絡をする場合の例文

内定辞退の電話は、基本的にはこのような会話の流れになることが多いです。この中でも、いきなり本題に入らずに採用担当者の都合が良いかを確認すること、辞退することへのお詫びの2点は特に大切です。また、周りの騒音や電波状況、時間帯などにも注意しましょう。

ただし、これ以外にも辞退理由や内定企業名を聞かれることがあります。どのように答えるのかあらかじめ考えてから電話するようにしましょう。また、フォーマットに縛られるのではなく、あくまでも会話のキャッチボールをすることを心掛けましょう。

メールで辞退連絡をする場合の例文

メールで内定辞退の連絡をする場合の例文

メールで連絡する際もビジネスマナーを忘れず、細かく改行して見やすいメールになるよう心掛けます。

メールの最後には署名が必須です。署名のテンプレートを作成しておき、就活関連の情報を企業とやり取りするメールでは必ず入れましょう。

また、前述した通り、内定辞退の連絡の場合はメールよりも電話の方が好ましいです。まずは電話で連絡することを忘れないようにしましょう。

内定辞退のよくある理由

他の企業から内定が出た

「他の第一志望の企業から内定が出た」というのが最も多い辞退理由です。選考に落ちた場合も考えて複数社を受けている就活生がほとんどですが、これ自体は悪いことではありません。ただし、入社する企業が決まった時点でその他の企業にはすぐに連絡するようにしましょう。

また、企業によっては選考時期が遅くなる場合があります。志望度の高い企業の選考結果を待っているうちに、他社の内定辞退がギリギリになってしまうことも考えられます。就職活動を続ける意思をあらかじめ企業側に伝えておくのも1つの手です。

志望する業界・職種の変化

たとえ第一志望の企業から内定をもらったとしても、時間が経つにつれて「向いていない」と感じたり、違う業種や職種に進みたいと思ったりすることも多くあります。

例えば、入社前に取得必須の資格の勉強をしたり、内定者アルバイトとして働く中で適性がない・自信がないと感じ始めるケースも多いです。このように入社後に不安がある場合は、早期退社を防ぐためにも内定辞退を検討しましょう。

しかし、内定が出ている時期から就活を再開するのは難しく、厳しい就活になることが予想されます。このような事態を避けるためにも、早い段階で自己分析は徹底的に行いましょう。

家庭の事情

具体的には、両親や祖父母の介護、急な引っ越しなど、思いがけない事情で入社が難しくなるケースがあります。

就活生自身も予想ができない、かつ手の打ちようがない事情である場合が多く、辞退の理由を企業側に丁寧に説明することで理解を得られるでしょう。辞退理由をしつこく聞かれたときは、「一身上の都合」と誤魔化さずに現状を細かく伝えた方が良いでしょう。

大学を卒業できなくなった

「卒業見込み」で就活をし、内定を得たとしても、大学を留年すると入社できません。採用条件が「大学卒業」であることが多いからです。また、内定辞退の連絡自体もギリギリになり、企業側に多大な迷惑となります。選考中に成績についての質問があったり、残りの単位数を聞かれるのは、留年による内定辞退を減らすためでもあります。

単位数は足りているにもかかわらず、必修や卒業要件の見落としによって留年するケースも珍しくありません。「自分は大丈夫」と思わずに、早い段階で大学の学生センターや教務などに確認することが大切です。

内定辞退によって起こるトラブルと対処法

辞退を受け入れてもらえない

内定辞退の連絡をした時、断られたり引き止められたりすることがあります。労働基準法において、契約の解除は原則として自由であり、就活生の権利でもあります。2週間以上前であればどのような契約も解除できるため、どれだけ企業に引き止められたとしても内定辞退の姿勢は崩してはいけません。

また、何度も引き止められる際には、自分が内定辞退を企業側に伝えた、という証拠を残す必要があります。電話だけだと証拠が残らないため、メールなどで形に残すようにしましょう。

さらに、自分の力だけで解決するのが難しいと感じた時点でキャリアセンターなどの第三者に相談することも有効です。

来社を求められる

電話やメールで内定辞退を伝えた際に、「直接会って話したい」と言われるケースもあります。直接お詫びしたいという気持ちで会社に行くと、内定辞退を引き止められる可能性が高いです。

中には、辞退を取り消さなければオフィスから帰してくれない企業もあり、注意が必要です。辞退を伝えた後に直接会う必要はないため、しっかりと断るようにしましょう。

損害賠償を請求される

選考の過程で使用した費用の賠償を求められるケースがあります。しかし、内定辞退は就活生の権利であり違法ではないため、基本的に損害賠償を支払う必要はありません。「入社の前日に内定を辞退した」、「入社目の研修に全て参加したにも関わらず内定辞退した」などという場合は別として、法的根拠のない損害賠償は認められていません。

内定辞退の際にも企業に失礼のないようにしよう

就活の早期化が進んでいる今、3年生のうちに内定を確保している就活生も年々多くなっています。そのため、内定辞退を一度は経験する就活生もそれに比例して増加しています。自分の中で納得できる就活にするためにも、内定辞退の決断も下せるようにしましょう。

内定辞退は就活生に保障された権利ですが、ここまで選考を実施し、内定を出してくれた企業に対しての感謝とお詫びを忘れないことも重要です。なるべく早く連絡することや、採用担当者との円滑なコミュニケ―ションなどは、社会人になっても必要なスキルです。企業側への丁寧な対応を心がけ、快く就活を終えられるようにしましょう。

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