- 企業の営業時間内に電話をかける
- 電話をかける前に話す内容をまとめておく
- 電話だからこそハキハキと話す
- 「貴社」「御社」など言葉の誤用に注意する
就活の場面で企業との電話のやり取りをする際、どのような言葉遣いをすればいいのか、どういった話し方をすればいいのか悩む就活生は非常に多いです。
電話マナーのポイントとなるのは、言葉の意味を正しく理解し、異なる場面ごとに適切な電話対応の方法を身につけるということです。
本記事では、就活で電話を使う場面別の例文と一緒に、正しい電話マナーを身につけるために抑えるべきポイントや注意点を解説していきます。
就活における電話のマナーは採用を左右する
就職活動において、企業の採用担当者と電話でやり取りをするという場面は多いです。その際、就活における正しい電話のマナーができているかどうかが、就職活動の結果を左右すると言っても過言ではありません。
企業との電話の際、正しい言葉遣いができていなかったり、電話をかけるタイミングなどが不適切な場合、採用担当者は志願者に対し「常識をわきまえていない人」という様な印象を抱き、結果的に選考から落とされてしまう可能性が出てくるからです。実際に電話マナーが原因で落とされてしまった人も少なくありません。
就活で電話をかける場面・受ける場面
上記のような場面において、就活生は企業と電話でやり取りをする必要があります。この時、企業から電話を受け取るのみではなく、就活生が自ら企業の方へ電話をするというケースも存在します。そのため、就活生は電話をかける場面・受ける場面のそれぞれで適切なマナーを押さえた上で話すことが求められてきます。
上記の5つの場面は、一つ一つが異なる場面となっていますが、電話マナーの基本はそれぞれに共通しているため、基盤となる要素を広く理解して身につけましょう。
就活で電話をかける・受ける際に押さえるべきマナー
「もしもし」とは言わない
「もしもし」という言葉はビジネスでは好まれません。なぜなら、「もしもし」の語源は「もの申す」の「申す」からきており、相手に上から目線の印象を与えてしまうからです。
就活生は企業の貴重な時間を使って、自分を見てもらっている立場にいるため、基本的には企業に対して敬う姿勢を示すことが一般的な常識となっています。
したがって、電話をする際だけでなく受ける際にも「もしもし」は使わないほうがベターです。「もしもし」と言う代わりに、「〇〇大学〇年生の 〇〇と申します」という風に、自身が誰なのかを伝えるようにしましょう。
電波が良く静かな場所で電話をする
就活において企業と電話でやり取りする際には、重要な情報が内容に含まれる場合が多いです。そのため、うるさい状況や電波状況が悪い場所で電話を行ってしまうと、コミュニケーションが円滑に進まない上、重要な情報が聞き取れないといった可能性が出てきてしまいます。
企業と電話でやり取りを行う前には、必ず電波状況が良く、なおかつ静かな環境に移動するようにしてください。
また、電話が難しい状況で企業から電話がかかってきた場合には、無理に電話に出ようとはせず、電話ができる環境に移動してからかけ直し、その際に電話に出れなかった理由を伝えましょう。
適切な時間帯に企業に電話をかける
就活生が企業へ電話をかける際には、適切な時間帯を選ぶ必要があります。例えば、始業や終業時間の前後は、ミーティングやスケジュール確認を行っている場合が多く、電話をしても繋がらない可能性が高いです。また、お昼休みの時間帯も、電話相手となる人が昼食などで業務から外れている場合があるため、こちらも避けたほうが良いです。
企業によって始業時間や就業時間は異なるため、電話をかける際には、その企業のホームページなどを必ず確認し、上記のような忙しい時間帯を避けるようにしてください。また、営業時間外はそもそも社内に従業員が不在となっているため、その際は翌日以降に電話をするようにしましょう。
メモを準備する
企業と電話する際は、必ずメモを手元に準備しましょう。電話では、面接の日程や持ち物、当日の受付方法など、重要なことを突如伝えられる場合があります。メモをせずに話を進めてしまうと、面接日や時間を間違えてしまったり、同じことを繰り返し質問するなど、迷惑をかけてしまうことがあります。
電話の最後にメモした連絡事項を復唱して確認することで、お互いの認識の齟齬を防止することにも繋がります。
電話をかける前に言いたいことをまとめておく
話す内容を考えずに電話をかけると、言葉に詰まってしまうだけでなく、話の要点を相手に明確に伝えられない可能性があります。そうなれば、企業に「コミュニケーション能力が高くない」「準備不足」といった印象を与えかねません。
そのため、自分の話す内容の要点は電話をかける前にまとめるようにしましょう。会話をスムーズに行えるだけでなく、自分が言おうとしていることが論理的に筋が通っている内容なのかを確認することもできます。
結論から話す
電話で連絡事項を伝える際には、結論を最初に述べるようにしましょう。最初から理由を長々と話していると、相手は用件がなんなのかを把握しにくく、再確認の手間となることがあります。
選考を辞退するなどの自分から言いにくい話でも、はっきりと結論を先に述べておくことで、言い訳をしているような印象を与えないように用件を伝えることができます。
明るい声でハキハキ伝える
電話で話す際、小さい声やはっきりしない口調で話していると、それだけでマイナスの印象を与えてしまいます。
一般に、企業は明るく元気のある人を好むため、大きな声でハキハキと話すことを意識してください。電話では自分の表情は見えないため、話し方で明るい印象を与えることが重要です。
重要な部分は復唱する
電話で話す際は、電波などの関係から必ずしも全ての言葉が明瞭に伝わるわけではありません。時には内容をよく聞き取れなかったということもありえます。
企業との電話においては、面接の日程や必要な道具、書類の確認といった重要な情報を電話でやり取りすることが多くなるため、聞き漏らしをそのままにしておくとトラブルの原因になってしまいます。
そのため、重要な情報は必ず復唱し、自分が聞いたことと企業側が話したことが合致するかを確認するようにしましょう。
自分から電話を切らない
一般的に電話は、電話を掛けたほうが先に切ることがマナーとなっています。しかし、目上の方やお客様の場合は例外です。就活の場合も基本的には企業の方が就活生の上の立場にあるため、たとえ就活生が企業に電話をかけた場合でも先に電話を切らず、相手が電話を切るまで待つようにしましょう。
しかし、企業側が電話をなかなか切らない場合もあり得るため、その場合は「お電話ありがとうございました。失礼いたします。」のように一言挨拶をしてから、電話を切るようにしましょう。
電話に出れなかった場合は必ず折り返しの電話をかける
企業から就活生へ電話をかける際、基本的には選考に関わる重要な情報が伝えられる場合が大半です。そのため、もし都合が合わず企業からの電話に出ることができなかった場合は、なるべく早いタイミングで必ず電話をかけ直しましょう。
その際、自分の名前と折り返しの電話であることを最初に伝え、担当者に代わってもらうように頼みましょう。留守電の内容やメールのやりとりなどで電話をかけてきた担当者の名前がわかっている場合は、名前も伝えるとよりスムーズです。
担当者に代わったら、まずは電話に出られなかったことを謝罪し、改めて連絡内容を尋ねるようにしましょう。
【場面別】就活の電話での会話例文
確認したいことや連絡事項がある時
企業に電話をかけた時には、基本的に採用担当者ではない人が電話に出ます。そのため、まずは自身の大学名と名前を伝え、採用担当者に代わってもらうようにお願いをしましょう。
担当者に代わった後は、最初と同様に自身の大学名と名前を述べ、その後に何についての電話であるかを伝えます。この時、いきなり本題に入るのではなく、相手の時間に余裕があるかどうかを必ず尋ねるようにしましょう。
時間が問題ないと言われたら、用件を具体的かつ簡潔に話します。確認や連絡を終えたら、対応へのお礼と、「失礼いたします」のように丁寧な挨拶をし、電話を終えましょう。
電話したが担当者が不在だった時
用事のある担当者が不在だと伝えられた場合は、いつ戻ってくるかを聞いておき、その時間になったら掛け直す旨を伝えましょう。その日は既に退勤しているという場合には、次回の出勤日を聞き、その日の忙しい時間帯を避けて電話をかけ直します。
また、そうした確認をとってもらったことに対してのお礼は必ず述べ、それから丁寧な挨拶で締め括って電話を切るようにしましょう。
企業からの電話を受ける時
企業からの電話に出る際は、まず自身の苗字のみを述べましょう。相手が名乗り、本人であることを確認してきた時に改めて自身の名前を伝えます。この時、簡単な挨拶をすると良い雰囲気で会話を進められます。
担当者が連絡事項を伝え終えたら、自分からもその内容を復唱し、正しい理解かどうかの確認をとるようにしましょう。
電話を切る前には「失礼いたします」といった挨拶で問題ありませんが、企業からの電話は自分からは切らないようにし、相手が電話を切ってから切るようにしましょう。
折り返し電話をかける時
折り返しの電話は、折り返しであることを伝えた上で担当者に代わってもらうようにお願いしましょう。担当者はその旨を聞いてから電話に代わることができるため、その後のやり取りがスムーズになります。
担当者に代わった際は、必ず電話に出られなかったことに対する謝罪を行います。その後、相手の都合が良いかどうかを尋ね、連絡事項を聞くようにしましょう。
就活の電話でよくある間違った言い回し
ビジネスの場面においては、会社のみならずお客様の間で情報のやり取りが多く求められます。したがって、正しい知識と情報のもとコミュニケーションを取ることが、ビジネスマンとしての基本的な要素として社会では認識されてます。
社会に出る前段階としての就活生は、面接や電話の場面から社会人としてふさわしいかどうかを試されるため、当然一つ一つの発言が細かくチェックされます。ここで、誤った意味の言葉を面接で使ってしまうと、自分が意図した意味とは180度異なる意味になってしまい面接官を不快にさせてしまったりする可能性があります。
面接や電話でのコミュニケーションを円滑に進め、面接官に良い印象を与えるためにも、自分の普段の言葉遣いが正しいかどうかを、この項目でチェックしていきましょう。
「了解しました」
「了解しました」は本来、同僚や自分よりも目下の相手に使われることが多い丁寧語にあたるため、就活生は目上の立場である企業とのやり取りでは使わないようにしましょう。
相手の話した内容を理解したことを伝えたい場合、「了解しました」ではなく「承知しました」や「かしこまりました」といった言葉を使うようにすれば失礼がありません。
「貴社」
相手の会社の敬称として用いられる「貴社」は書き言葉としては適切ですが、話し言葉として使うのは失礼にあたります。口頭で相手企業のことを指す場合は「御社」と言うのがマナーです。
話している最中に言い間違えてしまった時は、必ず「失礼しました」と謝罪してから言い直しましょう。
「なるほど」「確かに」
相手の意見への同意や共感を示すのに「なるほど」や「確かに」と言うのは、基本的に避けるべきです。これらは通常、目上の立場の人が相手を褒めるときに用いられる言葉です。
目上の人に対しての共感を示す言葉としては「おっしゃる通りです」や「勉強になります」「理解しました」といった言い回しが適切です。
「〇〇社長様」
多くの就活生は、相手の会社の社長に際して、「〇〇社長様」という風に社長の後に「様」をつけてしまいますが、間違った用法です。社長というのはあくまでも役職を示すものであるため、その直後に「様」を置いてしまうと、人ではなく役職に敬意を払ってしまうことになります。
敬称は人に対してつけるものなので、代わりに「社長の〇〇様」といったように、役職名を先に述べてから、人の名前に「様」をつけるようにしてください。
「株式会社〇〇様」
電話や面接の場面で、相手の企業のことを「株式会社〇〇様」や「〇〇(会社名)様」のように、会社名の直後に敬称をつけた形式で呼ぶのは適切な言い回しではありません。
基本的には相手企業を呼ぶ際には「御社」という言い方をするようにし、どうしても会社名を言う必要がある場合には、単に「株式会社〇〇」のように会社名だけを言えば問題ありません。
電話マナーを正しく身につけ、就活を乗り切ろう!
就活では、面接官をはじめとする企業の人達とのコミュニケーションが、選考を左右する重大な役割を担っています。そのため、一つ一つの言動に注意し、適切な言葉遣いで接することが重要となります。
正しい電話のマナーを身につければ、誠実でコミュニケーション能力の優れた人物であるという印象を企業に与えられます。この記事を参考に、他の就活生と差をつけて選考を有利に進めましょう。