- 就活において折り返しの電話は必須
- 当日中に折り返すのが原則
- 折り返す前に留守電の内容や担当者名を確認
- 電話に出られなかったお詫びを忘れない
就活中、やむを得ず企業からの電話に出られないことがあります。着信に気づいたら、当日中に折り返し電話をかけなければなりません。しかし通話可能な時間や話し方を気にするあまり、尻込みする人もいるのではないでしょうか。
折り返し電話には、いくつかのマナーがあります。マナーを習得した上ではっきり丁寧に話すよう心がければ、電話を怖がる必要はありません。
ここでは就活生が押さえるべき必須マナーと失敗しない電話のかけ方を、例文を交えて説明します。通話を避けるべき時間帯や失礼のない話し方、担当者不在時の対処法などを一つひとつ理解できるでしょう。
就活で電話に出られなかった場合の折り返しは必要?
折り返し電話は必須で就活の成否に関わる
企業からの電話に出られなかった場合、折り返し電話は必須です。着信に気付いたら、できるだけ当日中に折り返すよう心がけましょう。
もらった電話に折り返すのは、社会人の常識です。企業は応募者に常識を求めます。電話を折り返さなければ、就活の成否に関わる恐れがあります。
企業側から連絡する旨を伝えられても折り返すのが原則
留守電に「また電話します」と吹き込まれていることもあります。電話をかける意思を伝えられても、あなたから折り返すのが原則です。先方からの連絡を待ってはいけません。
電話が通じなかった場合、自分から再度かけ直すのは礼儀です。社会人にとって、「また電話します」という言葉は「相手からの思いやり」だと認識しましょう。
明確な理由を伝えられているときは状況判断を
企業側から明確な理由が示された上で「また電話します」と伝えられた場合、言葉どおりに電話を待つべきケースもあります。たとえば、次のような理由が伝えられた場合です。
- 〇〇時まで会議のため離席する
- 外回りでいつ戻れるか分からない
- 繁忙期で手が離せそうにない
戻る時間が指定されている場合は、指定時間になったら電話をかけると良いでしょう。相手の予定が不透明な場合は、電話を待つようにします。
就活で企業に折り返し電話できる時間は何時まで?
着信や留守電に気づき次第折り返すのが原則
折り返し電話は、着信に気づき次第すぐにかけ直すのが原則です。電話は直近の予定を伝える際に使われがちです。できるだけ早く折り返し、内容を確認しなければなりません。
ただし、時間帯によっては翌日(翌営業日)にずらす方が適切な場合もあります。企業の事情に十分配慮しなければなりません。
当日電話の折り返しが難しい場合は翌日でも可
着信当日の都合がつかない場合、翌日(翌営業日)の午前中に折り返しましょう。午前中なら問題ありません。遅い時間になると、「会社を軽視している」と思われかねないため、注意が必要です。
無理をして外出中に折り返すと、会話に集中できない、雑音が多いなど、要件をうまく聞き取れない可能性があります。日をまたいでも、電話に集中できる環境の方が大切です。企業も就活生の忙しさは理解しています。失礼にはあたりません。
就業時間を超えた場合も翌日に折り返す
折り返し電話が会社の就業時間を超えてしまう場合は、翌日の午前中に回しましょう。終業後は従業員にとってオフの時間です。あなたが電話をすることで、仕事に引き戻してしまいます。
また終業後も電話に応答してくれる企業も多くあります。しかし「時間を無視して電話する」姿勢は、良いとは言えないので、注意が必要です。
土日祝日をはさむ場合は翌営業日に折り返し電話する
土日祝日など休業日をはさむ場合は、翌営業日の午前中に電話をかけます。休業日に電話をかけると、「オンオフの区別がつかない人」「相手の事情を考慮できない人」など、悪い印象を持たれがちです。
時間が空くことに不安を感じるなら、メールを入れるのも良いでしょう。電話に応答できなかったお詫びと、翌営業日に電話する旨記載します。担当者は始業時にメールを見るため、電話にも意識を向けやすくなるでしょう。
始業直後や17時以降は電話の折り返しに配慮を
折り返し電話には不適切な時間帯があります。始業直後や終業間際です。会社によってはお昼休みも該当します。これらの時間帯は、以下の事情が考えられるからです。
相手の状況を想像し、少しでも電話が不適切だと感じるなら、時間をずらしましょう。
就活で折り返し電話をかける前の下準備
折り返しに焦り、下準備を怠ると、失敗を招く恐れがあります。通話内容をうまく受け取れない、話が噛み合わないなどの事態が生じがちです。電話をかける前に一呼吸おき、万全の準備を整えましょう。
留守電が入っていたら電話折り返し前に内容確認を
留守電が入っている場合、必ず内容を確認しましょう。「説明会のご案内」「面接の日取り」「お尋ねしたいこと」など、相手の用件が事前に分かれば、内容に応じた準備を整えられます。準備した上で折り返せば、会話がより円滑に進むでしょう。
留守電で用件を伝えきっている場合は折り返し不要
留守電で用件を伝えきっているケースもあります。説明会の時間変更など、あなたからの返答を要さない一方的なお知らせの場合、企業側は留守電で「連絡を終えた」と判断しているかもしれません。
上記のメッセージでは、「出欠に変更が出た場合」のみ連絡を求めています。それ以外の場合、折り返しは不要です。
部署名、担当者名を確認しメモしておく
留守電のメッセージでは、必ず相手の会社名・部署名・担当者名を確認しましょう。いざ折り返しの電話をしたときに、部署名や担当者名がわからないと困ります。
また、名前を知っている「いつもの担当者」だと思い込まないことも大切です。通常、企業には複数の人事担当者が在籍しています。特定の人だけが電話してくるとは限りません。確認を怠らないようにしましょう。
電波が良く電話に集中できる静かな環境を確保する
場所の確保も大切です。外出中の場合、電波が良く、確実に集中できる静かな場所を選びましょう。適切な場所がない場合は、無理に外出先で折り返す必要はありません。家に帰り、雑音を排除してから電話するようにします。
面接の日取りや内定の可否など、就活中の電話はあなたの未来に直結します。大切な電話だからこそ、適切な環境を整えてください。
就活の折り返し電話はなんて言う?例文でわかる電話のかけ方
あいさつと大学名・氏名をはっきりと伝える
まずは挨拶をし、大学名と氏名をはっきりと伝えましょう。会社では誰が電話に出るかわかりません。あなたのことを全く知らない人が出ることを前提にしましょう。
会社には何本もの電話がかかってきます。採用選考中であることを伝えると、担当者に取り次いでもらいやすくなります。
電話をもらったことを伝え担当者につないでもらう
次に電話をもらったことを伝えた上で、担当者につないでもらいましょう。同性の人がいることを考慮し、部署名をつけ、フルネームで伝えます。
何時頃に電話をもらったかを伝えると、担当者への取り次ぎが円滑に進みます。
担当者にあいさつし大学名・氏名を再度伝える
担当者が不在でなければ、電話を取り次いでもらえます。担当者が出たら、再度大学名と氏名を名乗りましょう。
担当者の前でも再度大学名と名前を名乗ります。最初の応答者からの伝言に期待するべきではありません。
電話に出られなかったことを詫びて用件を聞き出す
担当者があなたを認識したら、まずは電話に出られなかったことをお詫びします。また通話可能な時間か確認しましょう。
電話に出られなかった理由の説明は不要です。できるだけ早く本題に入れるよう留意しましょう。
聞き出した用件を再確認する
用件は必ずメモしましょう。走り書きでも構いません。後ほどスケジュール帳や、スマホのスケジュール管理アプリに記載(登録)します。大切な内容のため、用件を聞き終えたら必ず復唱しましょう。聞き逃しの防止になります。
復唱するときには、内容を整理しまとめて話すよう心がけます。特に「時間・場所・方法」の3点が重要です。
応答への礼を述べ電話を切る
復唱した内容に相違がないことを確認したら、最後に応答への礼を述べて電話を切ります。お礼の言葉があるのとないのとでは、印象が全く異なります。
感謝の意と同時に今後の意欲を簡単に示すと、より良い評価を得られるでしょう。
就活の折り返し電話中に注意するポイント
電話に出られなかった詳細な理由は不要
折り返し電話では、電話に出られなかったことへのお詫びが必要です。その際、詳細な理由の説明は必要ありません。採用担当者も、就活生の忙しさは重々理解しています。詳細を述べなくても、事情を汲んでくれるでしょう。
大切なのは、できるだけ早く本題に入ることです。最初の電話を取れなかった分、既に余計な時間がかかっています。時間を遅らせる会話は不適切です。
丁寧な言葉づかいではっきりと話す
通話中は、丁寧な言葉づかいではっきりと話しましょう。礼儀を欠いたり、粗暴さが感じられる言葉遣いは、就活には不向きです。電話の受け答えも、合否判断の基準に成り得ます。常に「見られている」「試されている」意識を持ちましょう。
万一電波の都合で言葉をはっきり伝えられない状況なら、お詫びした上で場所を変えてかけ直します。
聞き取れないこと、分からないことは迷わず聞き返す
聞き取れないこと、分からないことがあったら、些細なことでも迷わず聞き返しましょう。
電話の用件は、就職に関わる大切なことです。「聞き返すと失礼だから」「理解力が低いと思われたくない」などの理由でためらうと、大切な用件を受け取れない可能性があります。最終的に自分が損をすることにもなりかねないため、不明瞭な点はなくしましょう。
聞き逃しを防止するため内容を復唱する
聞き逃し防止のため、伝達された内容をメモし、復唱する癖をつけましょう。あなただけでなく、相手の伝え忘れ防止にも効果的です。お互いの認識を合わせ、伝え忘れ、聞き逃しがないことを確認してから電話を切るようにしましょう。
就活の折り返し電話でよくある困り事
担当者名が分からないため折り返し電話できない
折り返し電話しようとしても、担当者名が分からないケースがあります。特に留守電が残されていない場合、誰に向けてかけるかわからず、途方に暮れることもあるかもしれません。
だからと言って、折り返し電話をしないのはNGです。必ず折り返し電話をしましょう。
【解決】採用選考中は「ご担当者様」で通じる
担当者がわからなくても、採用選考中であることを伝えれば、「ご担当者様」で話が通じます。人事部などに電話をつないでもらえるでしょう。さらに、着信があった日時を伝えれば、部署内で担当者を特定しやすくなります。
何度電話を折り返しても担当者が電話に出ない
何度折り返し電話をしても、一向に担当者が応答しないこともあります。取引先への訪問や会議、セミナーなど、会社の業務は多岐にわたります。一日中席を外していることもあるので、次の方法で対応しましょう。
【解決】担当者の予定を聞き時間を合わせる
電話対応をしてくれている窓口の方に担当者の、都合の良い時間(担当者の帰社時間や会議の終わる時間)を聞いてみましょう。頻繁な電話は企業側にも迷惑がかかります。時間を合わせれば、一回の電話で済みます。
応答者が担当者の帰社時間を把握していない場合は、あなたの側で電話をかける日時を指定し、伝言をお願いしても良いかもしれません。
【解決】留守電に再度電話する旨伝える
折り返しの電話に誰も出ず留守電になった場合は、再度電話する旨を吹き込みましょう。電話する日時も指定すると、より伝わりやすくなります。
誰が留守電を聞くかは予測できないため、担当者に取り次いでもらうつもりでメッセージを残すと良いでしょう。
就活では何回まで折り返し電話をかけて良い?
担当者が電話に出ない場合、つい何度もかけ直したくなるかもしれません。しかし頻繁な電話は迷惑です。適切な回数と頻度を守りましょう。
【解決】少し時間を開けながら2〜3回が適切
折り返し電話は、2〜3回に留めるのが適切です。間隔は1〜2時間空けると良いでしょう。間を空ければ、担当者が戻ってくることも考えられます。午前に一度かけたなら、午後の早い時間と、夕方に一度かけるのが適切です。
就活で折り返し電話の代わりにメールを送っても良い?
電話が通じづらい場合、メールで代用したいと考える人もいるかもしれません。メールは時間を気にする必要がなく、面倒な取り次ぎもありません。緊張せずに伝えられる利点もあります。しかし、就活では電話の返答をメールで済ますのはNGです。電話で連絡があった場合は、かならず折り返しましょう。
【解決】メールで要件を伝えた上で再度電話するならOK!
メールはクッションとして利用します。電話に出られなかったことを詫び、再度電話をかける日時を知らせるために使うのであれば問題ないでしょう。メールで知らせた日時(一般的には翌日)には、忘れず電話しましょう。相手にも確実に電話の日時が伝わります。
上記の例文のように、お詫びの気持ちと翌日電話する時間だけを簡潔に伝えましょう。
マナーを知れば就活の折り返し電話は怖くない
ビジネス用途の電話に慣れていないと、企業への電話はハードルが高く感じられます。特に折り返し電話は、一度出られなかった非を感じ、余計に難しく感じるかもしれません。
しかしマナーを守ったやり取りを行えば、相手に悪い印象を与えることはありません。丁寧な対応を心掛け、メールなどでのフォローアップを欠かさずに行いましょう。
就活で習得したマナーは、就職後も強い味方になります。今の頑張りは、将来の糧になります。困難を乗り越え、就活に励みましょう。