- 面接の入退室ではビジネスマナーや身だしなみが見られている
- 緊張していてもあいさつやお辞儀は丁寧に
- コートやカバン、傘の置き方もマナーを守る
- 急な雨にも備えていると◎
就活面接では、本番中の受け答えだけでなく入室・退室時のマナーも評価対象です。身だしなみに清潔感がなかったり、あいさつがいい加減だったりすると、いくら受け答えが完璧でも面接官の印象はよいものにはなりません。
社会人にとっては常識でも、学生にとっては初めて知る入退室のマナーもあります。知らなかったことで評価を下げてしまわないように、事前にしっかりと入退室の基本を学んでおきましょう。
面接の入退室ではここが見られている!
面接は企業と学生の最初の接点であり、面接官に「この人と一緒に働きたい」と思ってもらうための重要な機会です。特に入室から退室までの態度は、その学生の基本的な人物像を判断する材料となります。
就活の面接は入室から退室までが本番です。気を抜いていると無意識の部分で面接官によくない印象を与えてしまうことも。そこでまずは入退室で面接官が重視しているポイントを把握しておきましょう。
基本的なビジネスマナーが身に付いているか
面接の入退室では基本的なビジネスマナーが問われます。挨拶や姿勢、お辞儀の仕方、言葉遣い、声のトーン、目線、時間を守れるかどうかなど、すべてがその人の印象を左右し、採否を決める判断材料になるものです。
入退室時の様子がぎこちないと、仮に採用したとしても顧客対応を任せることに不安を持たれてしまうかもしれません。面接官の目に自分の姿がどう映っているかを常に意識し、礼儀正しい態度で臨みましょう。
身だしなみが整っているか
身だしなみを整えて清潔感を保つことも社会人マナーのひとつです。人の第一印象を決める要素は視覚から得られる情報が大半を占めているため、身だしなみが整っていることは、面接官に好印象を与える上でとても重要です。きちんとした身だしなみは誠実さや自信を示すことにもつながります。
反対に身だしなみが整っていないと「だらしない」「失礼」「常識がない」といったマイナスな印象を与えてしまうので注意しましょう。
面接に向かう前に以下のチェック項目を参考にして自分の身だしなみに問題がないか確認してみてください。
入室から退室まで態度が一貫しているか
面接官は学生が入室してから退室するまでの態度に一貫性があるかどうかも見ています。
面接中は礼儀正しくても、面接室の外で受付スタッフや外部業者に横柄な態度を取ったり、他の学生に対して配慮のない振る舞いをしたりするのもアウトです。普段の姿を見透かされて不合格になる可能性が高くなってしまいます。
建物に出入りする間に受験企業の社員とすれ違うこともあるでしょう。そこで何か粗相があったり、社会人として不適切な行動をしていたりすると、その噂がいずれ人事担当者の耳に入らないとも限りません。
面接が無事に終わった安心感から気持ちが緩んでしまわないよう、会場を出るまでは常に「見られている」という緊張感を持ち続けることが大切です。
会場到着時の注意事項
身だしなみをしっかり整えて準備万端だと思っても、会場到着時に意外と見落としがちなマナーがあります。知らずにいると不本意ながら企業に迷惑をかけてしまったり、非常識だと思われてしまったりするかもしれません。下記に注意しましょう。
早く着きすぎするのはNG
遅刻が心配で早めに会場入りしておきたい気持ちはわかりますが、ビジネスの世界では約束の時間よりも早く着きすぎるのは実はマナー違反。企業側の準備ができておらず採用担当者を焦らせてしまう恐れがあります。それが原因で不採用とまではならないとしても、「常識がない」「相手への配慮ができない」という印象を抱かせてしまうかもしれません。
一般的には面接時間の10分前に会場に着き、5分前までに受付を済ませておくのが理想とされています。
もし30分以上前などあまりにも早く到着してしまった場合は近くのカフェなどで時間を潰すとよいでしょう。15分前程度であれば受付時間まで会場のロビーで待つか、トイレで身だしなみを整えながら待つのがおすすめです。
建物に入る前にコートを脱いでおく
寒い時期の面接ではコートなどの防寒着を着用して会場に向かいますが、そのまま建物に入るのはNGです。本来コートは室内で着るものではないため、失礼に当たってしまいます。
通行人の邪魔にならないよう玄関や入り口の脇に寄って手早く脱ぎ、片腕にかけて持ち歩くのがマナーです。手袋やマフラーをしている場合は同じタイミングで外しましょう。帰りも建物の外に出てから着用するようにしてください。
携帯電話はサイレントモードにしておく
面接中にスマホの着信音や通知音が鳴ると、面接の進行の妨げになる上、面接官に非常識な印象を与えてしまいます。集団面接の場合は他の学生の集中力を削いでしまい、迷惑をかけてしまう可能性も。
マナーモードにしていてもバイブレーションの音が鳴ると失礼なので、必ず受付前にサイレントモードに設定しておくか電源を切っておくと安心です。
基本的な面接の入室方法
面接官が先に入室している場合の流れ
入室は面接の時間の中でもっとも緊張が高まる瞬間かもしれません。名前を呼ばれてから慌ててしまわないように、友人や家族に面接官役を頼むなどして、入室の流れを実際に通しで練習しておくとよいでしょう。
面接官が後から入室する場合の流れ
コート・カバン・傘はどこに置く?
カバンは椅子の横に立てて置く
カバンは着席する時に椅子の横に立てて置くのが基本です。他に椅子が空いており荷物を置いてもいいと言われた場合はそのようにしても問題ありません。
カバンを床に置くことに抵抗がある人もいるかもしれませんが、膝の上に置くのは望ましくありません。カバンが自立しない時は椅子の脚に立てかけるようにして置きましょう。
コートは面接時は畳んでカバンの上に置く
コートは屋外から持ち込んだ花粉や汚れを室内に落とさないよう、裏返しにして畳むのが基本です。両肩部分を内側から掴み、袖はそのまま身頃だけを裏返して縦半分に折ります。さらに上下も半分に折って畳んだら、カバンの上に置いておきましょう。
膝の上に置くと立ち上がる際にいちいち手に持たなければならず、背もたれにかけると途中でずり落ちる可能性もあるので、あまりスマートとはいえません。
傘は傘立てor床に寝かせて置く
傘は建物の外でしっかりと水気を切り、ベルトを止めてから傘立てに預けましょう。傘立てがない場合、ビニールの傘袋があればそれに入れて携帯します。中には面接者用の控え室があり、面接中は荷物を置いておけることもあるようです。
傘立ても傘袋もどちらもなければハンカチや自前のタオルで水気を拭き取ってから室内に持ち込みます。濡れたまま持ち込んで床を水滴で濡らさないようにするのがマナーです。
面接室の中まで傘を持ち込む場合、持ち手を面接官側に向けてカバンの横に寝かせておきます。傘の先端を面接官に向けるのは失礼にあたるので避けましょう。
入室時のNG事項
案内されてから入室・着席する
面接では面接官の指示に従うことが基本のマナーです。案内されていないのに入室・着席すると、失礼な印象を与えたり、協調性がないと判断されたりする恐れがあります。もし入室後に席が複数あってどこに座っていいのかわからない場合、勝手に座らずに面接官に尋ねるか指示を待つようにしましょう。
先に自分が入室して座って待つ場合でも、面接官が入ってきたらすぐに立ち上がって挨拶し、着席するように言われてから着席してください。
背もたれにもたれない・足を組まない・女性は足を閉じる
着席時に背もたれに寄りかかったり足を組んだりすると「だらしない」「態度が悪い」などネガティブな印象を与えてしまいます。
背もたれから拳1つ分ほどの間を空けて腰掛け、猫背にならないよう背筋を伸ばし、顎を引いて座るとやる気が感じられる爽やかな印象になります。
女性の場合は足を広げて座るとだらしなく見えるため、膝を軽く揃えましょう。男性でも肩幅以上に足を開くと態度が大きく見え、面接官の心象が悪くなるので注意が必要です。
最初は気をつけていても、受け答えに夢中になるあまり途中で姿勢が崩れてしまっていないか、時々意識するようにしましょう。
荷物置きやハンガーラックは無断で使用しない
着席時と同じく、面接室では面接官の指示や許可なく勝手な行動を取ると常識がないと判断されてしまいます。。室内に荷物置きやハンガーラックが用意されていたとしても無断で使用することは避け、使用してもよいと言われた場合のみ使用しましょう。
基本的な面接の退室方法
「これで面接を終わります」と言われても、まだ気は抜けません。退室して会場を出るまで面接は続いているという意識を持ち、途中でスマホをいじるなどの行動は避けましょう。
面接官が出口まで見送ってくれる場合の流れ
面接官と一緒に退室する場合、基本的にはエレベーターや玄関前まで見送りがあります。エレベーターの場合は乗り込んで階数ボタンを押し、再度「ありがとうございました」と言ってお辞儀をしましょう。お辞儀はドアが閉まるまで続けるのがマナーです。
退室時のNG事項
あいさつを忘れる
入室の際は気を張っているためきちんとあいさつできる人がほとんどですが、退出時には安堵感からかあいさつを忘れてしまう人も多いようです。自分ではあいさつしたつもりでも顔が面接官の方を向いていないと、おざなりな印象になってしまいます。ドアの前できちんと向き直り、一礼とあいさつをしてから退室しましょう。
椅子を引きずる
基本的に面接で椅子を移動させることはありませんが、椅子の前にテーブルが用意されていた場合には椅子をテーブルの下に戻すこともあります。その際、引きずって音を立てるのはやめましょう。持ち上げて丁寧に戻し、誤って大きな音を立ててしまった時には「失礼しました」と一言断るようにしましょう。
どんな動作でも音が響かないようにすることは社会人として必要な配慮のひとつです。
大きな音を立ててドアを閉める
ドアの開閉も、なるべく音が響かないように静かに行いましょう。特にドアを閉じる時には思いのほか大きな音が出る場合があります。勢いに任せて閉じるのではなく、ドアノブや取っ手に手をかけて静かに閉じるようにしましょう。
Web面接での入退室
【入室】面接開始時刻の5分程度前に入室する
少し余裕を持って入室し、ネット環境・カメラ位置・背景の写り込み・マイク・スピーカーの状態・デバイスの充電を確認しておきましょう。
【退室】お礼を述べて一礼し、面接官の後に退室する
ありがとうございましたとお礼を述べてお辞儀し、面接官の後に退室します。ミーティング接続したまま面接官が席を外した場合は「失礼します」と一声かけてから接続を切ってもOKです。
雨の日の面接マナー|悪天候時に備えておきたいもの
雨の日は濡れた服や傘で床を濡らさないような配慮が必要です。急な雨でも慌てずスマートに対応できると用意周到さや計画性がアピールでき、他の学生から頭ひとつ抜けるチャンスになります。そこでここからは、悪天候時に用意しておきたいもの4つをご紹介します。
折り畳み傘
面接に行く時は急な雨に備えて折りたたみ傘を携帯しておきましょう。スーツやカバンがびしょ濡れの状態では自分自身が面接に集中できませんし、面接官にも好ましい印象を与えません。
不意の雨でやむを得ないとしても「不用意」「無計画」といったイメージを持たれてしまう可能性があります。折りたたみ傘があれば、会場に傘立てがなくてもカバンにしまっておけるので便利です。
替えの靴下やストッキング
雨で靴下やストッキングが濡れているからといって見た目ではわかりませんし、そのまま面接を受けても特に問題はありません。しかし、中には靴を脱いでスリッパに履き替えなければならないことがあります。その場合、濡れた足で客先のスリッパを履くのはマナーがいいとは言えません。
さらに足元が濡れていると自分自身が不快なだけでなく、悪臭の原因にもなり、落ち着いて面接に臨めないでしょう。
カバンに替えの靴下やストッキングを用意しておき、トイレなどで手早く履き替えることをおすすめします。
タオル
雨で濡れたスーツやカバン、頭髪を拭けるようにタオルは必ず1枚は常備しておきましょう。ハンカチを持ち歩いている学生は珍しくありませんが、タオルを常備している学生はそれほど多くないため、カバンからさっと取り出せるとスマートです。
クリアファイル
持参した書類や当日渡された書類が濡れないよう、クリアファイルも用意しておきましょう。
最近はメールやWebで応募書類を事前に送付するケースがほとんどなので書類を持参する機会は少ないかもしれませんが、受け取った書類が雨で濡れたからともう一度送付してもらう余計な手間をかけさせるのは避けたいもの。書類が汚れたり折れたりするのを防ぐ意味でも1枚あると便利です。
入退室のマナーを弁えて面接官に好印象を残そう
面接の入退室マナーは事前に知っておけばそれほど難しいことはありません。企業によって入室のタイミングや退室の仕方は異なりますが、最初は多少の違いに戸惑っても、場数を踏むうちにどんな面接形式でも落ち着いて対応できるようになるはずです。
「緊張していて座るタイミングを間違えてしまった」など少しくらい失敗することがあったとしても、焦らず平常心を保ちましょう。面接にくる学生が緊張していることは面接官もわかっています。小さなミスに気を取られて本調子を発揮できないのはもったいないことです。
身だしなみを整えて礼儀正しく振る舞うことだけは忘れずに、落ち着いて普段の自分で臨めば、面接官にいい印象を持ってもらえるでしょう。