- クールビズ指定の場合は【ジャケット・ネクタイ不要】
- クールビズが推奨の場合は【ジャケット】を持参
- 男女ともトップスは【白無地のワイシャツ】が基本
- ボトムスは普段の就活用スーツを使用する
- 半袖にジャケット・腕まくりなどNGポイントに注意
夏の対策として、多くの企業でクールビズが取り入れられています。しかし就活においては、クールビズをどのように判断すべきか迷う人も多いのではないでしょうか。特に礼儀やマナーが重んじられる面接では、適切な服装が悩みどころです。
そこで、これから就活面接に臨む人に向け、クールビズの可否を判断する方法をお伝えします。状況に応じた適切な服装が理解できるでしょう。
さらに就活生のクールビズスタイルを男女別に説明します。就活生と一般のスタイルは異なります。シャツの種類や着用方法など、いくつかの注意点を押さえなければなりません。正しいマナーを習得し、清涼感のある服装で面接に臨みましょう。
就活面接におけるクールビズとは?
就活面接でのクールビズ | 一般的なクールビズ | |
ジャケット | 不要(心配なら持参) | 不要 |
ネクタイ | 不要 | 不要 |
男性のトップス | 白無地のワイシャツ | ワイシャツ、シャツ、ポロシャツなど |
女性のトップス | 白無地のシャツ(レギュラーカラー・スキッパーカラー) | ワイシャツ、シャツ、ブラウス、カットソーなど |
トップスの袖丈 | 半袖・長袖ともに可 | 半袖・長袖ともに可 |
男性のボトムス | スーツのズボン、スーツ生地のスラックス | スーツのズボン、スラックス、チノパン |
女性のボトムス | スーツのパンツ・スカート、スーツ生地のパンツ・スカート | アンクル丈〜10分丈のパンツ、膝丈〜膝下丈のスカート |
女性のストッキング | 必要 | スカートでは必要 |
男性の靴 | ビジネスシューズ | 革靴、モノトーンのスニーカー、ローファーなど |
女性の靴 | パンプス | パンプス |
クールビズは2005年に環境省の提唱でスタートした取り組みです。目的は温室効果ガスの削減で、企業にはエアコンを28度に設定する努力が求められています。高い温度設定でも快適に過ごせるよう、夏場は軽装が許容されているのです。
クールビズの服装には明確な規定がありません。企業の裁量に委ねられています。しかし就活においては、表のとおり「共通した服装規定がある」と認識しておきましょう。一般的なクールビズのように幅広い服装が許容されているわけではないため、注意が必要です。
クールビズで就活面接に行って良いか判断する方法
「面接はクールビズで構いません」なら指示に従う
クールビズの服装が許容されるのは、企業からクールビズを指定または推奨された場合のみです。面接の実施要項や案内を確認し、「面接はクールビズで構いません」といった記載があるなら、指示に従いましょう。軽装を理由に選考が不利になることはありません。
クールビズが「指定」ではなく「推奨」の場合、通常のスタイルを選ぶ人もいます。念のためジャケットやネクタイを持ち歩き、周囲の様子を見て判断すると良いでしょう。
クールビズの指定なしの面接なら通常のスタイルで
面接の実施要項や案内にクールビズの記載がない場合、クールビズを実施していない、または期間外であると考えられます。通常の就活スタイルで面接に臨みましょう。
環境省では5月1日〜9月30日をクールビズ期間に設定し、企業にも努力を求めています。しかし全ての企業が画一的に実施するシステムではありません。判断は企業に委ねられています。クールビズを時期だけで判断するのは危険です。要項や案内を確認するよう心がけましょう。
【男性編】就活面接におすすめのクールビズスタイル
面接でもクールビズならジャケット不要
就活面接でも、クールビズならジャケットは必要ありません。ただしクールビズが「指定」ではなく「推奨」の場合、念のため持ち歩くと良いでしょう。
なお、半袖シャツにジャケットのスタイルはマナー違反です。ジャケットを持ち歩くなら、シャツは長袖に限ります。注意しましょう。
面接のクールビズはノーネクタイでOK
クールビズではネクタイも不要です。首元は体感に大きく影響します。ネクタイをしないだけで、心地良さを感じられるでしょう。
半袖シャツにネクタイを合わせるのは、ビジネスマナー違反です。ネクタイをする可能性がある場合は、長袖シャツを着用しましょう。
シャツは無地の白なら長袖・半袖ともに可
シャツは長袖でも半袖でも構いません。ただし色は白、無地のワイシャツに限ります。ジャケットを着ない分、見た目には十分に注意を払いましょう。特にサイズ感は重要です。
就活では半袖でも第一ボタンを留めて着用します。首周りは指が一本入るのを目安にすると良いでしょう。肩幅もできる限りジャストサイズを心がけます。
ズボンはスーツ用または夏用スラックス
ズボンは普段はいている就活スーツから流用します。生地が厚く不快感を感じるなら、夏用スラックスを別に用意しましょう。購入する際は、スーツ生地の商品を選択します。色は黒、ダークネイビー、チャコールグレーが無難です。ウォッシャブルのタイプだと、清潔な状態を維持しやすいでしょう。
なお一般のクールビズではチノパンも許容されますが、就活では不向きです。
ジャケットを着ない分ベルトにこだわる
ベルトにもこだわりましょう。 華美にならず、ズボンの色に合うものを選びます。黒の革製品で、シンプルなデザインがおすすめです。太すぎるとスーツに合わないため、幅は3cmを目安にしましょう。
長さが合わない場合は、自分で切って調整します。「真ん中の穴で留められる長さ」だと覚えましょう。
【女性編】就活面接におすすめのクールビズスタイル
就活でのトップスは白無地のシャツに限る
女性は普段からオフィスカジュアルが許容されている会社も多く、クールビズのトップスは幅広く選べる傾向にあります。しかし就活では白無地のレギュラーカラーシャツ、スキッパーカラーシャツに限られ、あまり選択肢がありません。
袖丈は半袖でも長袖でも構いません。第一ボタンのないスキッパーカラーシャツを選ぶと、暑さに対応しやすいでしょう。首元や鎖骨を綺麗に見せる効果もあります。
スカートはスーツ用または膝下にかかる長さの夏用を
スカートは普段の就活用スカートをそのまま使います。暑く感じるなら、夏用を用意しましょう。通気性に優れた麻やサマーウール素材がおすすめです。ウォッシャブルのタイプだと、さらに快適でしょう。色は黒、ネイビー、グレーで、長さは膝下丈が適切です。
パンツは長さに気をつけベルトをする
パンツスタイルの場合も、普段就活で履いているものを使用します。夏用に買い足すときには、長さに注意を払いましょう。クールビズ用のパンツを選択すると、アンクル丈(9分丈)の可能性があります。就活ではくるぶしが隠れる長さ(10分丈)を選びましょう。
色は黒、ネイビー、グレーです。テーパードシルエットを選ぶと、ノージャケットでも綺麗に見えます。
なお、パンツにはベルトも忘れず着用しましょう。屈んだときに下着が見えるのを避けるためです。マナーの一つだと心得ます。
暑くてもストッキング着用がマナー
ビジネスシーンでは、スカート、パンツにかかわらず、ストッキングを必ず着用します。クールビズスタイルでも、素足にパンプスはNGです。足先を覆うフットカバーを付けての着用も許容されません。
暑い夏でも快適に履けるよう、接触冷感生地や、吸汗速乾素材のストッキングが発売されています。適切な生地や素材の商品を選び、暑さをしのぎましょう。
就活面接のクールビズスタイルで注意したいこと
面接でジャケットオンのクールビズなら半袖を避ける
面接でジャケットを着る可能性がある場合は、半袖を避けましょう。ジャケットの下はシャツが1〜2cm見えるのがマナーです。半袖にジャケットを合わせると、ビジネスマナーの欠如を露呈することになります。
暑さに不安があるなら、ジャケットの素材で対処します。オールシーズン用とは別に、夏用のスーツを用意すると良いでしょう。生地が薄い背抜き(肩や背中の裏地がない)のデザインなら、通気性に優れています。
面接ではクールビズでも第一ボタンを留める
就活では、クールビズでもシャツの第一ボタンを留めるのがマナーです。一般的なクールビズスタイルは、半袖シャツ着用時に第一ボタンを外します。社会人のクールビズをそのまま真似すると、マナー違反になる恐れがあります。十分に注意しましょう。
クールビズでの面接中に腕まくりをしない
長袖シャツを着る場合、面接中の腕まくりは厳禁です。腕まくりにはだらしない印象があります。袖口をしっかり留めましょう。
なお、綿などのシワがつきやすい素材は、社外での腕まくりも推奨しません。出先でシワを取るのは困難です。腕まくりをするなら、始めから半袖を選びましょう。
面接ではクールビズでもボタンダウンシャツを避ける
就活のクールビズにボタンダウンシャツは適しません。ボタンダウンシャツは襟元に小さなボタンが付いたデザインで、ノーネクタイでも襟の形状を保ちやすい特徴があります。
しかし、ノーネクタイのときには第一ボタンを外すのが基本とされており、第一ボタンを留める就活マナーと相反します。おしゃれに見えても、就活では選びづらいアイテムです。
透けにくいベージュのインナーを着る
ジャケットオフの場合、下着の透けにも十分に注意します。下着が透けるのはマナー違反です。シャツを購入したら、あらかじめ透け具合をチェックしましょう。
インナー大手メーカー「GUNZE」の調査によると、白シャツの下で最も透けにくいのはベージュの下着です。白は遠目では透けないものの、近づくと袖部分の境目が目立ちます。男女とも、ベージュのインナーを揃えると良いでしょう。
シャツは汗ジミや襟元の汚れ・シワをチェックする
シャツを着るときには、汗ジミや襟元の汚れ、シワに十分注意します。ジャケットがない分、視線はシャツに注がれます。常に清潔感を保つよう心がけましょう。
白シャツは比較的汗ジミが目立ちません。しかし放置すれば黄ばみにつながり、汚れが蓄積されます。吸水速乾性のインナーに汗を吸わせ、場合によっては脇汗パッドやシートも使用すると良いでしょう。着用したシャツをできるだけ早く洗うのもポイントです。
洗濯後には面倒でもアイロンがけをします。シワがあると、だらしない印象を与えるからです。面倒な人は、形状記憶シャツを購入するのも一つの手です。
クールビズでもジャケットを持ち歩くと安心
クールビズが「指定」ではなく「推奨」の場合、最終的な判断は自身が行います。迷うなら、ネクタイとジャケットを持ち歩くと安心です。他の就活生の様子を窺ってから判断しましょう。
ジャケットを持参する際には、持ち歩き方や置き場所にも留意します。適切な方法を取らないと、シワだらけになったり、マナーの欠如を疑われる恐れがあります。
ジャケットの持ち歩き方
- 1ジャケット左右の肩部分に内側から手を入れ、両手で拝むようにして重ね合わせる
- 2肩の線がまっすぐになるよう、片方の肩にもう片方を覆い被せる
- 3ジャケットの脇腹部分で上下二つ折りにし、腕にかける
暑い中、外でジャケットを羽織るのは現実的ではありません。ジャケットを持ち歩く場合、会社に入る直前に着用しましょう。持ち歩く際には上記の手順で腕にかけると、綺麗な状態を保てます。
面接時のジャケットの置き場所
面接会場でジャケットを着ない場合、置き場所にも留意しましょう。置き場所の正解はカバンの上です。椅子にカバンを置いたら、持ち運ぶときと同じ折り方で上に乗せます。椅子にかけたり、勝手にハンガーを使用しないよう注意しましょう。
状況に見合った服装で暑い時期の就活を乗り切ろう!
就活生にとって厄介なのは、クールビズに明確な規定がない点です。許容される服装が、企業ごとに異なる可能性があります。だからこそ、状況を適切に判断する目が必要です。面接の実施要項や案内の確認はもちろん、社風や周囲の状況もつぶさに観察しましょう。
暑い日々が続けば、「できる限り涼しい格好をしたい」と誰もが考えます。しかし一歩立ち止まって判断することで、内定が近づく可能性が高まります。暑さに負けず、就活を成功に導きましょう。