面接でオフィスカジュアルを指定されたときの服装とマナーとは？

企業によっては、面接の際に「オフィスカジュアルで」とあえてスーツではない服装を指定する場合があります。しかし、オフィスカジュアルといわれても、具体的にどのような服装で行けば良いのかわからないという学生は多いことでしょう。

服装は第一印象に繋がるため、マイナスな印象を与えないよう、最低限のマナーを押さえておくことが重要です。

本記事では、オフィスカジュアル指定の面接に備え、メンズとレディースに分けて服装選びのマナーについて解説します。季節ごとに分けたオフィスカジュアルな服装のポイントや、服装以外の身だしなみについても紹介していますので、就活を控えた学生の方はぜひ参考にしてください。

オフィスカジュアルってどんな服装？

そもそも、オフィスカジュアルがどのような服装なのかイメージがつかないという方も多いでしょう。オフィスカジュアルな服装とは、カジュアルでありながらもビジネスシーンに適したスタイルのことを指します。

フォーマルなスーツが必要な場面ではないものの、清潔感があり、ビジネスな場にふさわしい印象を与える服装が求められます。そのため、ジーンズやスウェットパンツ、スニーカーなどの極端にカジュアルすぎるアイテムは避けるべきです。

オフィスカジュアルな服装を指定された場合は、自分が普段好きで着ている服というより、相手に不快感を与えない、清潔感があることを意識してアイテムを選びましょう。

企業が面接でオフィスカジュアルを指定する理由は？

なぜオフィスカジュアルな服装を指定されたのかを理解しておくことで、面接で着ていくアイテムを選びやすくなるでしょう。

自社の文化や社風と適応できるかを確認したい

企業は、面接で候補者がどのような服装を選ぶかを見て、自社の価値観や仕事のスタイルに適応できるかを見極めたいと考えています。リクルートスーツだと服装が統一されていることから、学生の個性や内面を把握することが難しい場合があります。

特に、アパレル業界やクリエイティブな業種では、個性やセンスをアピールすることは大切です。ただし、カジュアルさの程度は、企業や業界によって異なります。そのため、面接の際は、志望企業の文化や社風を理解したうえで服装を選ぶことが大切です。

面接にリラックスして臨んでほしい

スーツよりもオフィスカジュアルな服装のほうが面接にリラックスして臨めるという考えから、オフィスカジュアルを指定する場合もあります。特に、学生の場合はスーツを着用する機会が少ないため、いつもと違う状況に緊張しやすいでしょう。

堅苦しい雰囲気だと、自分らしさを表現しにくいですよね。そのため、企業は少しでもリラックスできる環境を提供し、学生の内面や本質的な能力を見極めたいと考えています。

自由度の高い社風をアピールしたい

IT企業やスタートアップ企業など勤務中の服装はビジネススーツではなく、私服を許可している会社もあります。そこには、自由な雰囲気で働ける環境であることをアピールしたいという意図が含まれています。

社員がフォーマルな服装に縛られることなく、自分らしく働けることを重視しているため、オフィスカジュアルな服装を指定することで、自由度の高い、創造性を尊重する働きやすい環境を提供しているというポジティブなイメージをアピールしているのです。

学生の常識やビジネスマナーを確認したい

スーツに比べて、オフィスカジュアルな服装はアイテムの選択肢が多いです。そのため、個性を表現しやすくなります。

しかし、面接官からは一般常識はあるか、ビジネスマナーは備わっているかという部分をチェックされています。清潔感があり、TPOをわきまえた服装を着用したうえで、ビジネスの場でも通用する身だしなみを整えることが大切です。

【メンズ編】面接で着るオフィスカジュアルの基本ルール

就活の面接では、基本的にシンプルで清潔感のあるアイテムが好まれます。相手に不快感を与えない、志望企業や業界のイメージに合わせたアイテムを選びましょう。

落ち着いたカラーのジャケット

ジャケットは、オフィスカジュアルな服装の定番アイテムです。ジャケットを取り入れないコーディネートもありますが、一枚羽織ることでカジュアルすぎない清潔感のある印象になります。

面接で着用するジャケットを選ぶ際は、落ち着いたカラーのものがおすすめです。例えば、グレーやネイビー、ベージュ、ブラウンなどが良いでしょう。このようなカラーのジャケットは、品格があり信頼性を感じさせる効果があります。清潔感を保ちつつ、適度なフォーマルさを意識して選びましょう。

襟付きのシャツ

ジャケットの下に着用するシャツは、襟付きのものを選びましょう。襟付きのシャツは、清潔感がグッと上がるアイテムです。カラーは白でも良いですが、淡いブルーも爽やかさが出るのでおすすめです。

なお、オフィスカジュアルの場合、ネクタイは必須のアイテムではありません。また、ゆったりすぎるシルエットの大きいデザインのシャツは、カジュアル感が強くなります。ジャケットとの相性を見て、爽やかなカラーで、自然に体にフィットするシャツを選びましょう。

チノパンやスラックス

パンツは、チノパンまたはスラックスが良いです。チノパンやスラックスは、カジュアルさとビジネス感のバランスがよく、面接に適しているアイテムです。

カラーは、黒やベージュ、ネイビー、ブラウンのような落ち着いた色を選びましょう。ジャケットの色と合わせる必要はありませんが、デニムのようなカジュアルすぎる素材は避けたほうが良いです。

また、オフィスカジュアルな服装指定の場合も、ベルトは締めます。ベルトも装飾のないシンプルなデザインを選びましょう。

無地の靴下

スーツのときと同様に、オフィスカジュアルな面接でも靴下を着用します。無地でダークカラーの靴下が他のアイテムと合わせやすいです。

また、ビジネスマナーとして清潔感や適度なフォーマル感が求められるため、靴下がズレたり素肌が見えるような状態は避けましょう。特に、着席した際に素肌が見えないよう注意してください。

クラシックな色合いの革靴

オフィスカジュアルな服装を指定されている場合、靴はスーツを着用するときに使用しているものでも大丈夫です。

オフィスカジュアルの場合は、カラーやデザインの選択肢が少し広がります。黒やブラウン系、ベージュ系でも良いでしょう。また、ローファータイプもオフィスカジュアルな服に合います。

ただし、装飾が入っているものやスニーカーなどのカジュアルな靴は、面接の場に適していません。面接は細かい部分までチェックされているので、足元のアイテムも気を抜かないようにしましょう。

シンプルなビジネスバッグ

バッグは、A4サイズの書類が入るシンプルなビジネスバッグを使いましょう。オフィスカジュアルコーデとしてリュックという選択肢もありますが、ジャケットやシャツにシワができる恐れがあるため、避けたほうが良いでしょう。

迷ったときには、スーツを着用する際に使用するバッグを選んでも問題ありません。

【レディース編】面接で着るオフィスカジュアルの基本ルール

メンズと同様に清潔感やTPOに応じたアイテム選びが基本的なルールとなります。また、レディースの場合はメンズよりもアイテムの選択肢が多いため、面接の場に適した服装を選ぶことが大切です。

シンプルなデザインのジャケット

メンズと同じようにジャケットを一枚羽織ることで、清潔感があり、しっかりとした印象を与えることができます。オーソドックスなデザインで、落ち着いたカラーのものがおすすめです。

なかには、ジャケットの代わりにカーディガンを検討する方も少なくないでしょう。アウターがカーディガンだと、全体的にカジュアル感が強くなる可能性があるため、面接ではジャケットが無難です。

柔らかいカラーのシャツ・ブラウス

レディースの場合は、ジャケットの下にシャツまたはブラウスを着用します。カラーはホワイト系やライトブルーなど柔らかい色がおすすめです。インナーを柔らかいカラーにすると、清潔感を出すだけでなく、顔色も明るく優しく見える効果があります。

ただし、透け感が気にならないようなインナーを選ぶようにしましょう。カジュアルすぎない素材を選び、インナーの下にキャミソールを着るなどの対策も必要です。

ひざ丈スカートやロングパンツ

ボトムスは、ひざ丈スカートまたはロングパンツがおすすめです。スカートの丈はスーツスカートをイメージすると良いでしょう。ひざ丈より短いスカートやロングスカート、ショートパンツは、カジュアルすぎるため面接の場にはふさわしくありません。

また、ボトムスのカラーは、黒やグレー、ネイビー、ブラウンというような落ち着いた色が適しています。スカートは柔らかい印象があり、パンツはかっちりとした印象を与えるので、それぞれ1本ずつ持っておくと良いでしょう。

無地のストッキング

面接のようなオフィシャルな場では、靴を履いていても素足は厳禁です。レディースの場合は、無地のストッキングを着用します。

スカートを履いている場合は、ウエスト部分まであるストッキングを着用しますが、パンツの場合はふくらはぎやくるぶし丈のものでも大丈夫です。移動中に伝線してしまう可能性も考えて、替えのものをバッグに入れておくと安心です。

シンプルで落ち着いたカラーのパンプス

レディースの場合は、シンプルで落ち着いたカラーのパンプスを着用します。ヒールの高さは、3cmから5cm程度がベストです。

ヒールが高いものや、つま先が出るミュール、華美なデザインはオフィスカジュアルには合わないアイテムです。他のアイテムとのバランスを見て、黒やベージュ、グレーなどのカラーでコーディネートしてみましょう。

シンプルなビジネスバッグ

メンズと同様にバッグは、シンプルなビジネスバッグを持ちましょう。A4の書類がしっかりと入り、床に置いたときに自立するタイプが良いです。

ハイブランドのバッグは、就活用のアイテムとしては違和感があります。アウターからパンプスまで、オフィスカジュアルな服装を着てみて、違和感がなければスーツと同じバッグを使用しても問題ありません。

就活面接で避けたいNGな服装

面接でオフィスカジュアルを指定されたとはいえ、私服の中から何でも選んで良いというわけではありません。アイテムによっては、面接官に不快感を与えてしまう恐れがあり、評価にも大きく影響するため、注意が必要です。

派手すぎる服装

派手すぎる服装は就活の面接ではNGです。例えば、鮮やかすぎるカラーや大柄のデザインのものが当てはまります。また、ボリューム感のある袖、フリルやレースをたくさん使用しているデザインなども不適切です。

派手な服装は、注目を集めるかもしれませんが、その注目がポジティブな印象に繋がるわけではありません。面接では、派手すぎる服装は避け、控えめで落ち着いた色合いやデザインを選びましょう。

カジュアルすぎる服装

オフィスカジュアルを指定された場合、カジュアルすぎる服装は避けなければなりません。オフィスカジュアルでは、ある程度のフォーマル感が求められます。つまり、スーツ以下私服以上のフォーマル感を意識することが大切です。

NGなアイテムの例としては、デニムやスニーカー、Tシャツなどが挙げられます。カジュアルさの程度は企業や業界によって異なるため、他のアイテムがカジュアルと捉えられないかをリサーチする必要があるでしょう。

露出が多いデザイン

露出が多いデザインの服装も、当然ながら面接の場にはふさわしくありません。ミニスカートやショートパンツ、デコルテが大きく開いたトップスなどが該当します。

面接でこのような服装を選ぶと、品がないという印象を与えてしまいます。また、企業に対する真剣な気持ちや熱意が不十分だと捉えられるため、露出の多いデザインは避けましょう。

過度なアクセサリーや装飾品

スーツではないからといって、過度なアクセサリーや装飾品を身につけないようにしましょう。面接の場では、できる限りアクセサリーは付けないほうが良いです。

付けるとしても、腕時計までにしておきましょう。その場合もカジュアル寄りではなく、シンプルできれいめなデザインがおすすめです。

アパレル業界のようなファッションセンスや自分らしさを求められる面接であれば、ピアスやネックレスの装着が認められるかもしれません。とはいえ、企業によってその判断基準は異なりますので、基本的にはアクセサリーや装飾品は避けるのが無難です。

オフィスカジュアルな面接はここも大事！服装以外のチェックポイント

面接で服装を指定されたからといって、服装だけを気を付けていれば良いというわけではありません。面接当日、服装に気を取られて他の大事なポイントを見逃さないようにしましょう。

①髪型

面接では髪型も第一印象を大きく左右する要素のひとつです。男女共に、清潔に見えるようにすることが大切です。ただし、オフィスカジュアルと指定されているので、スーツほどカチッとしたヘアスタイルにする必要はありません。

男性の場合は、適度な量の整髪料で清潔感のあるヘアスタイルをキープし、自然な仕上がりを目指しましょう。女性の場合は、セミロングからロングヘアーであればシンプルなヘアアクセサリーできちんとまとめます。香りが強いヘアスプレーなどの製品は避けましょう。

②メイク

メイクをする場合は、オフィスカジュアルな服装に合ったナチュラルメイクをしましょう。大事なことは、健康的に見えるかどうかです。服装と同じで、鮮やかすぎるカラーや派手なメイクは面接では逆効果になります。

アイシャドウやチーク、リップは、肌馴染みの良いベージュ系や淡いピンク系がおすすめです。オフィスカジュアルな服装に取り入れたアイテムと相性の良いカラーを選ぶと全体的なバランスが良くなります。

③ヒゲ

男性は、ヒゲが伸びていないかをチェックしましょう。ヒゲが伸びたままだと、不潔でだらしがないという印象を与えてしまいます。面接に備えて、剃り残しがないようにしっかりと整えましょう。カミソリ負けをしやすい場合は、ヒゲを剃る前後のスキンケアを徹底しておくことをおすすめします。

④爪

面接の準備で意外と見落としてしまいがちなのが、爪のケアです。長い爪や割れている爪、ささくれがある手元は、相手に不潔な印象を与えてしまいます。短すぎると深爪になってしまうので、爪先から2mmから3mm程度に揃えるようにしましょう。

また、ネイルは企業や業界によって判断が異なるので、自爪で面接に臨むほうが無難です。清潔感のある手元に整えるために、当日までにネイルオイルやハンドクリームで手のスキンケアをしておくと良いでしょう。

⑤歯

面接では担当者と長時間会話をすることもあり、歯の清潔さも大事なポイントです。きれいな歯で、明るくハキハキと話し、素敵な笑顔があるととても印象が良いです。当日家を出る前、会社に到着してから面接会場に入る前に、鏡で汚れが付いていないかチェックしましょう。

【季節別】オフィスカジュアルな面接の服装ポイント

就活の面接は、業界や企業によって開催される時期が異なります。そのため、オフィスカジュアルと一言で言っても、季節によっては全く違うアイテムを選ぶことになります。どの時期でも対応できるように、服装のポイントを押さえておきましょう。

【春】パステルカラーで明るい印象を与える

春に面接がある場合は、パステルカラーを取り入れましょう。特に、シャツやブラウスといったインナーをパステルカラーにすると、全体的に明るい印象になり効果的です。

トップスがパステルカラーだと、顔に近い部分に明るい色を取り入れているため、顔色が明るく見えます。春にダークカラーをメインに使用すると、重い印象になるため色選びが大事なポイントです。

【夏】通気性を重視した素材を選ぶ

夏の面接の場合は、通気性を重視した素材を選びましょう。気温が高い夏は、汗をかきやすく、匂いも気になってしまいます。全体的に、夏物の通気性の良いアイテムを用意しましょう。また、サッと汗を拭けるようにハンカチも必要です。

一見して暑さ対策が難しそうなジャケットですが、薄手の夏用のものも販売されています。オフィスカジュアルのしっかりとした印象は崩さず、快適に着用できるアイテムを選びましょう。

【秋】寒さを調節できる素材を選ぶ

秋になると、少し肌寒い日に面接を受けることもあるでしょう。その場合は、寒さを調節できる素材やアイテム選びが大切です。

涼しくなってきた秋の季節に合わせて、ウールやカシミヤなどの暖かみのある素材が適しています。また、季節感を出すために、ブラウン系やベージュ系など秋色のトーンを選ぶと良いでしょう。

【冬】保温効果のあるインナーを着る

冬になると一気に気温が下がり、寒さ対策が必須となります。冬の面接では、コートだけでなく、保温効果のあるインナーも着用しておいたほうが良いでしょう。具体的には、ユニクロのヒートテックがおすすめです。

一般的に、コートや手袋、マフラーなどの防寒具は会場に入る前に脱いでおくのがマナーです。そのため、面接中はコートやマフラーなどで体を温めることができません。

外が寒すぎる場合、室内に入ってからも体がなかなか温まらないかもしれません。そのため、寒さ対策として保湿効果が高いものを中に着ておくことがベストです。

オフィスカジュアルな服装に悩んだときの対処法

志望企業に勤務する人の服装を参考にする

どうしてもオフィスカジュアルな服装がイメージできないという場合は、面接を受ける企業に勤めている人を参考にしましょう。

具体的には、企業のホームページ内の写真やSNSなどから確認できます。男性と女性で、どのようなコーディネートをしているかを参考にすることで、安心して面接に臨めるでしょう。

志望業界や業種の人に話を聞く

その他の方法としては、志望業界や業種の人にどのような服装が適切かを尋ねることも有効です。同じ業界や業種の人であれば、面接での服装の傾向が見えてくるでしょう。

もちろん、志望企業先の人に直接話を伺うのが最も確実です。会社訪問や説明会、OB・OG会などの機会に、気になることを質問してみましょう。

就活に適したオフィスカジュアルで自分らしさをアピール！

就活の面接で「オフィスカジュアルな服装で」と指定された際は、カジュアルさの程度に注意してコーディネートを組みましょう。

メンズとレディースで、取り入れるアイテムはそれぞれ異なります。しかし、清潔感があり、TPOをわきまえた服装であることは共通しています。

オフィスカジュアルな服装の面接は、スーツのときよりも自分らしさが表現しやすい面接です。そのため、志望企業が求めるカジュアルさを理解しているという部分をアピールできるように準備しておきましょう。