内定者懇親会の服装マナーガイド|私服や服装自由の場合はどうする?

内定者懇親会の服装マナーガイド|私服や服装自由の場合はどうする?
この記事のまとめ
  • 内定者懇親会の服装は企業からの指定に従う
  • 当日の内容や開催場所に合わせる
  • 服装以外の身だしなみや言動にも注意する

多くの企業では採用活動が一段落した秋ごろに、内定者を集めた懇親会を開催しています。同期入社の仲間と出会えたり、先輩社員から実際に働く上での気構えを聞けたりと、非常に実りのある会であることは間違いありません。

しかし、内定者懇親会は企業から服装を指定することも多く、参加する人にとっては悩みの種でもあります。この記事ではいくつかのパターン別に内定者懇親会に相応しい服装を解説していきます。

そもそも内定者懇親会とは?

一般的に内定者懇親会とは、内定者同士や内定者と企業の社員との親睦を深めることを目的として開かれます。実際の仕事を想定して内定者同士の自己紹介やグループワークなどを開催する企業もあれば、仕事を抜きにした食事会やレクリエーションなどを実施する企業もあります。

企業ごとに趣向を凝らした様々な企画が予定されていますが、いずれにしても参加するメリットの大きい行事です。このときにできた同期や先輩との人間関係は、今後働くうえで必ず役に立つでしょう。内定から入社まで時間があるならば、懇親会に積極的に参加することで企業側に自分のやる気をアピールすることもできます。

企業が内定者懇親会を開催する目的

内定者懇親会を行う最大の理由は、内定辞退の防止です。リクルートやマイナビなどの就活支援サイトが発展した現在の就活は、企業は選ぶ側であると同時に選ばれる側でもあります。 就活生は常に新しい情報を仕入れ、複数の企業の採用試験を受けながら、入社すべき企業を比較検討しています。

そのため内定者に対して、内定後のフォローをしないということはありえません。面接時の対応や給与などの待遇が良くても、内定後に一切の接触がなければ「期待されていないのでは」「事務連絡などが雑」と内定者が考え始め、辞退につながることは十分に考えられるでしょう。

不参加の場合は丁寧な断りを

内定者懇談会は内定者を対象に実施されるため、どうしても学業や部活などの予定と重なって参加できないということは珍しくありません。そのなかで内定者懇親会に参加しないと内定取り消しになるのではないかと不安に思うのも当然です。

ただし、原則的に会社の指揮命令下にない内定者に対して、企業が懇親会への参加を強制することはできません。また、これを理由に内定を取り消すことは違法となります。そのため、内定者懇親会に参加しなくても問題はありません。

しかし、何も連絡せずに欠席するのは厳禁です。内定先も学生が参加する予定で準備をしているため、連絡が遅れると迷惑をかけてしまいます。また、就業意思にも疑問を持たれてしまうため、欠席の場合は内定先に早めに連絡しておきましょう。

内定者懇親会の基本の服装

内定者懇親会の服装は、基本的には企業側からイベントの内容や開催場所に合わせた服装が指示されるため、その指示に従っていれば問題ありません。ここでは、それぞれの指示に合わせた服装に関する注意点を解説します。

基本の服装はスーツがベター  

内定者懇親会にスーツで行く際の服装例
スーツスタイルののポイント
  • スーツは上下黒のリクルートスーツが基本
  • シャツは無地の白色、襟付きでフォーマルな印象に
  • シャツやスーツにはシワやヨレ、汚れがないようにする
  • 男性は黒の革靴、女性は黒のパンプス

懇親会と銘打っていますが、多くの企業にとっては内定者懇親会は採用活動の一環です。内定者懇親会を通じて、内定者のモチベーションアップを図ったり、内定者同士の横の繋がりを強くしたりと働きやすい環境を作ることで、内定辞退や早期退職の防止に取り組んでいます。

あくまでも採用活動の一環であるため、スーツスタイル、特にリクルートスタイルでの参加が基本です。就職活動で使用していたスーツをそのまま着用することが最も無難な選択肢といえるでしょう。男女ともに黒の上下、Yシャツやブラウスも白にしておきます。派手なアクセサリーも避けるとよいでしょう。

「私服指定」ならオフィスカジュアルで

オフィスカジュアルのポイント
  • 服は白やベージュを基本に、黒や紺などの落ち着いた色合いのものを選ぶ
  • 露出が多いものや、透け感のある服装は避ける
  • ジーンズやTシャツなどのリラックスし過ぎた服装にしない

内定者懇親会の 服装指定は、企業からのメッセージです。堅苦しい雰囲気を排除し、内定者同士が親睦を深める機会を提供することを目的として開催する企業は、参加者に自分らしいスタイルで出席してもらうことを望んでいます。このような「懇親」を重視する企業は、服装に「私服」を指定することがほとんどです。

しかし、私服ならなんでもよいという訳ではありません。むしろ、指定が緩い分、慎重に選ぶ必要があります。一般的にはオフィスカジュアルと呼ばれる、気軽な服装ではあるがそのまま仕事をしていても違和感のないというような服装を考えましょう。

男性のオフィスカジュアル

内定者懇親会のオフィスカジュアルの服装例(男性)

男性のオフィスカジュアルでは、ジャケットが重要です。シャツやカットソーの上から着用するだけで、オフィスのきちんとした感じが演出できるでしょう。季節に応じて素材を選び、羽織るかどうかを判断します。

パンツはスラックスが定番です。センタープレスがあるスラックスなら、きちんとした印象を与えられるでしょう。よりカジュアルな印象にするならチノパンも選択肢に挙がります。スラックスよりやわらかい印象となるので、1本持っておくと重宝します。

しかし、どんな服装であっても、オーバーサイズの服装になるとだらしない印象になってしまいます。体形にあったジャストサイズのものを選ぶことで、折り目正しい印象にしましょう。

女性のオフィスカジュアル

内定者懇親会のオフィスカジュアルの服装例(女性)

女性のオフィスカジュアルは、ジャケットの有無やボトムスの選択肢など、コーディネートの幅が広いです。これが正解という明確なものがないため、避けるべき装いを確認しましょう。

例えば、オフショルダーやミニスカートなどの肌の露出が高い服装、透け感のある服装などは避けましょう。また、過度に胸元が開くような服装もNGです。その他、レースやパフスリーブなど「ふわふわ」「ヒラヒラ」した装飾のある服は、単純に動きにくいため、オフィスカジュアルには向きません。あくまでカジュアルでありつつ、そのまま仕事ができるような綺麗めな服装を意識しましょう。

「服装自由」「服装指定なし」の場合の服装はどう選ぶ?

「服装自由」「指定なし」もスーツかオフィスカジュアルが無難

企業によっては、服装の指定を行わない場合もあります。しかし、これは「どんな服装でもよい」ということではありません。企業が服装の指定を行わないのは、就活生の「常識」を見定めようとしているためです。

実際に仕事を始めると、他社との会食やパーティーに参加することもあるでしょう。しかし、そのようなフォーマルな場に服装のマナーが守れないような社員を連れていく訳にはいきません。内定者だけの「懇親会」といえども仕事につながる重要な機会であると認識しておきましょう。

指定がなければ、スーツが無難な選択肢です。女性の場合は、オフィスカジュアルも選択肢に入ります。どの場合でも清潔感や新卒の就活生らしいフレッシュさを重視した服装を考えましょう。変に高級ブランドで固めたり、奇抜な服装をする必要性は全くありません。

季節に合わせた服装を選ぶ

内定者懇親会の開催時期は企業によって異なるため、真夏に行う企業もあれば、入社式直前になって実施する企業もあります。冬はコートやカーディガンなどを羽織り防寒対策を行います。また、足元も厚手の靴下やストッキングを履くようにするとよいでしょう。

夏は薄手で半袖のYシャツやブラウスに変えるなど、季節に合わせた服装選びは、自分の体調管理の上でも重要なポイントです。

また、どの季節であっても、会場の空調が効きすぎていることも珍しくありません。脱ぎ着できる服装にしておくと、自分のちょうどよい加減に調整できるため、季節を問わずジャケットは用意しておくと良いでしょう。

業種や社風から企業にふさわしい服装を考える

服装に悩んだときは、企業の業種や社風から考えることもできます。例えば、銀行や証券、官公庁などのいわゆる「お堅い」職業であれば、当然、懇親会もスーツがベターな選択肢でしょう。礼節やマナーが重視される業界では、内定者にもしっかりとしたマナーを求めます。

単純にスーツを着るだけではなくシワやヨレの有無、ボタンの留め方など、実際の仕事場でも通用するような服装にします。場合によっては、スーツをクリーニングに出したり、ほつれなどをつくろったりしておきましょう

逆に、アパレルや美容関係などは自分のファッションセンスが重視されます。このような業界はオフィスカジュアルがベターな選択です。ただし、これらの業界は単にオフィスカジュアルを着るのではなく、トレンドや自分らしさなどのアピールも重要なポイントです。

会場やプログラムに合わせて選ぶ

内定者懇親会の内容は、企業によって様々です。グループワークや社内見学などの堅い内容を扱う企業もあれば、本当に親睦を深めることをメインにした立食パーティーという企業もあります。お堅い内容ならばスーツ、親睦をメインにするならカジュアルと内容に応じて服装を選びましょう。

ただし、スポーツをレクリエーションとして実施したり、工場見学に参加を実施したりする企業も珍しくありません。このようなプログラムが組まれている場合は、同じスーツでも汚れても洗えるウォッシャブルスーツが良いでしょう。また、スカートやヒールのある靴も避けた方が賢明です。

また、同じ立食パーティーであってもホテルの会場を貸し切って実施する場合と、居酒屋などを貸切る場合では、当然求められるマナーや服装も異なります。前者の場合、企業の重役も参加する大規模なものになるでしょう。そのため、良い印象を残すためにもスーツで参加するのが望ましいです。

悩んだときは誰かに聞くのが一番

指定のない場合は、スーツにしておくと間違いがありませんが、内定懇親会の開催場所やプログラムの内容によってはスーツだと動きにくいことも考えられます。悩んだ場合は、企業の採用担当などに問い合わせると良いでしょう。

他にも、懇親会の内容をホームページにアップしている企業も少なくありません。先輩社員や上司が、その場でどのような服装をしているのかも自分が服装を決める参考になります。

内定者懇親会でさらに印象を上げるポイント

服装に関係なく清潔感のある身だしなみを

清潔感のチェックポイント
  • 髪の毛:フケや皮脂などで汚れていないか、また、変な匂いはしないか
  • 顔:目垢やよだれのあとなど、汚れていないか
  • ひげ:剃りのこしはないか
  • 鼻と眉:鼻毛は出ていないか、眉毛は切りそろえらえているか
  • 爪:綺麗に切りそろえられているか

内定者懇親会は、同期入社や先輩や上司と出会う場です。服装は勿論のことですが、それ以外の身だしなみにも気を配りましょう。企業が内定者懇親会を実施する目的が何であれ、やはり人と接する以上は清潔感が欠かせません。

また、内定者懇親会は最終面接から、数ヶ月ほど経ってから実施されることも珍しくありません。その間に印象が変わってしまっている場合は、最終面接の前の姿に戻しておきましょう。採用の合否は、その時の身だしなみを見た上で出している可能性もあります。

たとえば、日焼けや体形の変化、他にも髪型や髪色には注意が必要です。同僚や先輩、上司など企業全体に良い印象を内定者懇親会で残すためにも、企業が「採用したい」と思ったときの自分を保つようにしましょう。

持ち物やアクセサリーにも要注意

持ち物やアクセサリーは、派手な色や奇抜なデザインのものは避け、服装に合わせた落ち着いた色合いのシンプルなものを選びましょう。また、新卒に求められるのは若々しさです。そのため高級ブランドのアクセサリーや時計なども避けた方が賢明です。

靴についても、スーツやオフィスカジュアルが前提であるため革靴やパンプスなどを選ぶのが基本です。しかし、企業によっては屋外でのレクリエーションなどを実施することも少なくありません。動きにくい履物がNGになる場合もあるため、スニーカーでの参加も考えましょう。

そして、何よりも忘れてはいけないのがです。内定者懇親会では、入社に関する重要書類などが配布されることも珍しくありません。そのような書類を出したままにしないためにも必ず鞄を準備しておきましょう。一般的な書類のサイズであるA4サイズが入るリクルート用の鞄が最も無難な選択肢です。

マナーを弁えた行動で好印象を残す

内定者懇親会において、内定者はゲストの立場です。当然、ゲストらしい立ち居振る舞いが求められます。誰とも話さないことは明らかなマナー違反といえるでしょうそのため、まずは積極的に相手に話しかけましょう。

逆に、自分の事ばかりを話す、相手を質問攻めにするというのもマナー違反です。懇親会は「お互いを知る場」です。自分の事を知ってもらい、相手の事を知るためにも程良い距離感を保つようにしましょう。

いくつか質問を用意して参加する

懇親会においては内容に関係なく、相手と話をしなければ意味がありません。その話の取っ掛かりをつくるためにもいくつか質問を用意しておきます。先輩相手の質問、上司や重役を相手にするときの質問、同僚相手の質問など、相手を想定して作っておきましょう。

質問の内容はどんなものでも構いません。例えば、同期相手ならば出身の大学や専攻分野など、先輩や上司相手ならば会社の様々なことについて尋ねるのもよいでしょう。特に、面接時には聞けなかったことも聞けるのが内定者懇親会の良い部分です。

実りの多い内定者懇親会にするには服装から

内定者懇親会における服装のマナーは、今後の自分のキャリアを左右する重要な要素です。会場に相応しい格好であれば、それだけ話の輪も広がり、自然と同期や上司・先輩社員とのつながりもできていくことでしょう。

第一印象は見た目で大きく左右されます。入社後も相手と円滑なコミュニケーションを取るためにも、内定者懇親会から服装のマナーには気をつけましょう。

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