エントリーシートは「である」「ですます」どちらがいい?書き方のポイント

エントリーシートは「である」「ですます」どちらがいい?書き方のポイント
この記事のまとめ
  • エントリーシートでは「である」と「ですます」どちらも使える
  • 「である」と「ですます」で印象は異なる
  • エントリーシートでは書く内容を優先する
  • 言い切りは志望する企業に合わせる

エントリーシートの文末を、どのように言い切るか悩んでいる就活生は多いのではないでしょうか。エントリーシートでは、文章の中身も重要ですが、それと同じくらい言い切りも大切です。言い切り次第で、文章全体の雰囲気が大きく変わるため、相手に与える印象も変わります。

文章の印象が良ければ、採用担当者からの評価も上がるでしょう。自分のエントリーシートに適切な言い切りを選択することで、書類選考の段階から他者との差別化が狙えます。

就活で多く使われる、「である」「ですます」の2つの言い切りの特徴を本記事を通して理解し、自分のエントリーシートを魅力的にしていきましょう。

エントリーシートの語尾は「である」と「ですます」どっち?

エントリーシートでは「である」と「ですます」はどちらも使える

エントリーシートでは「である」「ですます」はどちらも使うことは可能です。普段の会話で多く使うという理由から「ですます」を使う人もいれば、強気で主張したい理由から「である」を使う人もいます。

どちらを使うのも自由ですが、それぞれメリットとデメリットがあるため、両方の良し悪しについて知る必要があります。使い方次第では、伝える文章の印象が変わってしまうため、この記事を通してどのような使い方が適切なのかを押さえましょう。

どちらの言い切りもメリットとデメリットがある

自身の強みを伝える文
「私の強みは、物事に粘り強く取り組む力です。大学時代の部活動を通して養ったからです。貴社に入ってからも、その力を活かしていきます。」 「私の強みは、物事に粘り強く取り組む力である。大学時代の部活動を通して養ったからだ。貴社に入ってからも、その力を活かしていく。」

1つ目の文章は丁寧な印象は伝わりますが、「ですます」が連続し、ややくどい文章となっています。2つの文章は力がこもった印象を与えますが、少し高圧的な雰囲気が感じられ、人によっては違和感を覚えるでしょう。

このように、言い切りの違いで文章全体の雰囲気は変わります。普段何気なく使っている言い回しがエントリーシートの印象を左右するため、「である」と「ですます」それぞれのメリット・デメリットを把握し、うまく自分の文章に活用しましょう。

迷ったら「ですます」で言い切るのがおすすめ

エントリーシートの語尾を「である」か「ですます」のどちらを使うかで迷っている場合、「ですます」を使うのが無難でしょう。

就活では企業の方が上の立場にあるため、就活生は敬う態度で臨む必要があります。「ですます」の言い方は敬語に分類されるため、文章で使えば自然と相手に敬意を払った文章にすることができるので、言い切りに迷ったら「ですます」にしましょう。

「ですます」で言い切るメリット

丁寧な言い方になる

「ですます」は敬意の意味を含んでいるため、面接官から見て全体的に柔らかい文章に仕上げることができます。また、真面目さや誠実な印象も文章から伝えることができるので、マナーがある人という印象を与えることができるでしょう。

就活では、就活生の人間性が選考を左右するポイントです。就活生は面接のみならず、エントリーシートの文章においても人柄を細かくチェックされます。語尾を「ですます」にすることで常識のある人だとアピールでき、面接の前段階で他者と差別化できるのがメリットです。

読みやすい文章になる

「ですます」は、多くの就活生がエントリーシートで使う言葉となっているため、面接官にとっては親しみのある言葉となっています。親近感のある言葉がたくさん使われていれば、当然文章も身近なものとなり読みやすさが増すでしょう。

文章が読みやすければ、面接官も良い印象を持ちやすくなります。違和感がない文章に仕上げることができるのでおすすめです。

スムーズに書きやすい

「ですます」は日常生活でも多く使われるため、エントリーシートの文章作成においても使いやすい言葉となります。また、敬意を含む言葉でもあるため、文章の中でわざわざ敬語表現を使わなければならないという労力もなくなります。

学校の授業などにおいても、「ですます」で文章を書いてきた就活生は多いのではないでしょうか。今まで習ってきた書き方をそのままエントリーシートでも使えるので、スムーズに文章を書くことができるのもメリットの一つです。

「ですます」で言い切るデメリット

文章が単調になりやすい

「ですます」を多用しすぎてしまうと、文章全体が平坦で拙い印象になりがちです。どうしても語尾の種類が限定されてしまうため、同じ言い回しが連続してしまうことが多いことが原因です。

対処法としては「ですます」の代わりに、「〜こと。」などの体言止めを活用することが挙げられます。文章のバランスを確認するためには、一度声に出して文章を見返してみるのが良いでしょう。

文字数が多くなる

「ですます」で言い切る場合、「〜だ」などの言い切りよりも文字数が多くなってしまいます。文字の差は1文字と小さいですが、エントリーシートでは字数制限があるため1字の差は大きなものとなるのです。

限られた範囲の中で、文章を書くには工夫が求められます。もしエントリーシートで「ですます」の言い切りをする場合、なるべく文章を短くまとめるように心がけましょう。また体言止めを使うなど、こまめに語尾を変えるのも有効です。

誤った敬語になる可能性がある

「ですます」の文章では、敬語が多用される傾向があります。その際、同じ種類の敬語が連続してしまう二重敬語に気をつけなければなりません。例えば、「拝見させていただきました。」です。「拝見」は謙譲表現であり、「させていただく」も謙譲表現にあたるため、間違った用法となります。

誤った敬語の使用が原因で選考から落とされることはありませんが、人事担当にマイナスな印象を与えてしまう恐れがあります。特に、高い年齢層の方々は言葉使いを重んじる傾向があるため、言葉使いの細かなチェックを普段からしましょう。

「である」で言い切るメリット

説得力のある文章にできる

「である」で言い切る文章は、断定的な意味合いが強くなるため、自身の文章を強くアピールできます。エントリーシートの多くは「ですます」の言い切りの文章が多いため、その中で「である」の文章があると面接官にも一目置かれるでしょう。

多くの企業は自信のあるパワフルな人材を求めます。エントリーシートの段階で、自信のある人材だという印象を与えることができ、他者との差別化にもなるのでオススメです。

語尾に変化を持たせやすい

「である」の言い切りは「ですます」よりも変化をつけやすいため、同じ言い回しを防ぐことができます。「である」以外の例としては、「〜だ。」「〜いる。」などが挙げられます。

文章を書く際は、文から文への流れが重要です。「ですます」だと同じ言い切りが連続してしまう傾向があり、くどい文章となってしまいます。敬語表現と一緒に使わない限り文末を自由にできるため、バリエーションを持たせたいなら「である」で言い切りましょう。

文字数を少なくできる

「である」の言い切りは「ですます」よりも文字数が少ないため、一つ一つの文章を短くすることができます。例えば「学びました。」は6文字に対して、「学んだ。」は4文字でまとめることができます。

エントリーシートでは書ける文章量が決まっているため、情報をなるべくコンパクトにすることが大切です。アピールしたいことが多く、「ですます」だと書ききれない場合は、「である」で言い切る文体にしましょう。

「である」で言い切るデメリット

硬い文章になってしまう

断定的でやや引き締まった意味合いが強い分、「である」で言い切った文章は硬くなってしまう傾向があります。自己主張の言い回しが連続してしまうため、「ですます」に比べて文章の柔らかさがなくなってしまいます。

自己主張が強い文章に対して、採用担当者は不快感を抱く可能性があります。硬い文章である分、読みにくさも加わってしまうため、選考の始めの段階からネガティブな印象を与える恐れがあるでしょう。

上から目線の印象を与えてしまう

「である」の言い切りは、高圧的な印象を与えてしまう可能性があります。断定的な表現であるため、文章の中で多く使われれば、読んでいる面接官に圧迫感を与えることもあります。

「である」で言い切る文章の内容によっても、相手を見下した表現や、企業を軽蔑しているかのような表現となる危険があります。自分が書いた文章が、読んでいて不快にならないかどうか、一度声に出して読んで確認してみましょう。

敬語と併用できない

「である」の言い切りでは、文法的に敬語は一緒に使えないため、人によっては書きづらさを感じてしまうでしょう。特に「ですます」の言い切りで書き慣れている人には、大きな負担となります。

敬語を使えないということは、文章を通して相手企業に敬意を払うことができません。選考で就活生の人間性に重きを置く企業の場合、選考から落とされてしまう可能性が高くなります。自分が望む書き方だけでなく、エントリーシートの提出先の企業の風土に合わせて書くようにしましょう。

「ですます」と「である」を使い分けるタイミング

文字制限に合わせて使い分ける

エントリーシートで書ける文字数に合わせて、「ですます」と「である」を使い分けるようにしましょう。企業によってエントリーシートに書ける文字数は変わり、およそ200〜400字程度と幅があります。

書ける文字数が200文字程度と少ない場合は「である」の言い切り、そうでない場合は「ですます」の言い切りにすると書きやすくなります。

一方で、言い切りを意識しすぎて中身のないエントリーシートを書いてしまっては本末転倒です。文字数を考慮した上で、伝えたいことを魅力的に書くことを優先しましょう。

志望する企業に合わせる

自分が志望する企業の社風に合わせて、「である」と「ですます」を使い分けるようにしましょう。

例えば報告書や論文を作成することが中心な研究職や、メンタルの強い人材を求めるコンサルなどの企業には「である」が効果的です。

一方、営業でのコミュニケーションや社内の上下関係に重点を置く企業には「ですます」を使うのが好ましいでしょう。

各々の言い切りのメリットを比較し、どちらが志望する企業の相性にマッチするかを考えて使い分けるのがベターです。言葉選びの細かな意識も、他の就活生との差別化につながるのです。

エントリーシートの書き方の基本

書く内容を最優先にする

エントリーシートで最も重要な部分は、文章の内容です。どれだけ綺麗な文章を書けていたとしても、志望する企業とは関係のない内容の場合、選考を通過することはできません。

エントリーシートでは、就活生がどのような人間なのかを見られます。提出されたエントリーシートの内容を基に、それぞれの企業が持つ理念や価値観とフィットするかどうかに重きが置かれます。そのため、各企業に合わせたエントリーシートを書くことが重要です。

採用担当者は毎年多くのエントリーシートに目を通しているため、表面的な文章では選考から落とされてしまいます。経験談を基に、自身のスキル強みを全面的にアピールできるような、中身の濃い文章を作ることを意識しましょう。

書き言葉と話し言葉を区別する

エントリーシートで文章を書く際には、書き言葉話し言葉を区別することが大切です。就活の中でよく見られる間違った表現としては、「貴社」「御社」が挙げられます。「貴社」が書き言葉で、「御社」が話し言葉です。

他にも「ですので」や「でも」なども文章で見られますが、ビジネスの場では話し言葉として使われるため、ここでしっかり区別をしましょう。

正しい言葉使いは社会人が抑えるべき大切なマナーです。間違った言葉使いで企業と接してしまうと、社会人としての常識に欠けた人物というマイナスな印象を与えてしまいます。普段意識せずに使っている言葉も、用法や意味が正しいかどうかを必ず調べるようにしましょう。

語尾は最後まで統一して書く

文末の言い切りには一貫性を持たせましょう。例えば、文章の前半は「ですます」で言い切り、後半は「である」で言い切るというのは好まれません。文末の言い切りが混在していると、文章が読みにくく中途半端な文章となってしまいます。

エントリーシートの文章は就活生のその人となりを表します。一貫性に欠けた文章の場合、中途半端な人材や、継続力がない人材といった印象を採用担当者が抱くでしょう。語尾を統一した上で、筋の通った文章を完成させることを意識していきましょう。

エントリーシートでの言い切りを効果的に活用し選考を突破しよう

エントリーシートでの言い切りには「ですます」「である」の2つに大きく分かれます。どちらを使うかは就活生によって異なりますが、それぞれのメリットとデメリットを知った上で使うことが重要です。

言い切りによって文章全体の雰囲気は変わり、企業に与える印象も変わっていきます。「ですます」が効果的な場合もあれば、「である」の方が効果的な場合もあるため、志望する企業の社風に合わせた書き方を押さえることが大切です。

文章全体で見れば細かな部分ですが、言い切りの違い一つで選考を左右する可能性もあります。自身のエントリーシートのアピール力を高めるためにも、本記事を活用し自身にマッチした言い切りを見つけましょう。